スティーヴン・キングに絶賛された『隣の家の少女』のジャック・ケッチャム原作「襲撃者の夜」を映画化。脚本はジャック・ケッチャム本人が担当。
【STORY】
アメリカ・メイン州デッドリバーでは、以前から住民が行方不明になったり惨殺されたりする事件が多発していた。この日も、2名の女性が殺害され、赤ん坊が行方不明になるという事件が発生。事件を捜査する警察は、11年前に起きた忌まわしい事件が再び起きたと予想する。その町に住むゲームデザイナーのデイヴィッドは、ある夜庭先で奇妙な格好をした少女を見かける。そしてその日の夜「彼女ら」はデイヴィッドの家を襲撃する…。
【REVIEW】
不条理の限りを尽くした『隣の家の少女』のジャック・ケッチャム原作「襲撃者の夜」の映画化である。映画タイトルに『~ 食人族 the Final』がなぜかプラスされてしまったことにはあえて触れないでおこう。
この作品はケッチャムのデビュー作「オフシーズン」の続編にあたる(原題は「オフスプリング」)。なぜ続編の方が先に映画化されてしまったのかは「大人の事情」ということらしい。そこも触れないでおこう。
この「オフシーズン」「襲撃者の夜」の2冊で描かれた人を襲い食料にする一族は、16世紀のスコットランドで一族を率いて多数の人間を殺して食べたとして処刑されたソニー・ビーンがモデルになったといわれているようだ。
したがって実話を元にした紹介される事が多いが、日本では戦国時代に相当する16世紀の伝説なので、本当の話かどうかは疑わしい。
続編であるが故に、小説を読んでいない人にとっては、話が唐突、とか11年前の事件とは何か?などの声が上がり、説明不足の作品となった感は否めない。
自分は2冊とも原作を読んでいるので、そんなに違和感は感じなかったが。
唯一違和感を感じたのが、襲撃者達の風貌。骨で作ったアクセサリーなど、いかにもな風貌にさせられている。彼女らは野生の獣と同じで、生きるため、食べるため、戦うため、子孫を残すためだけに存在している。だからあのような残忍な行為が行える。だから怖いのである。
ある程度原作に忠実に作られている。それもそのはず、脚本はケッチャム本人。しかも検死官役で出演もしている。
だがしかし、100分ほどの映像にまとめられているため、やや深みが無いのが残念。
例えば、元警官のジョージ・ピーターズ。彼は11年前の事件で襲撃者達との激闘の末、負傷しながらも生き残った男である。そして警察を辞め、妻に先立たれて飲んだくれの生活をしているところへ今回の事件。地元警察に「専門家」として叩き起こされ現場に向かう。事件のトラウマと妻の死のショックが残るまま事件へ関わることになった彼の心理描写が少ない。
それから襲撃者達。原作では一人ひとりにキャラがある。リーダー格の女は「ウーマン」11年前の事件で命からがら逃げ出し、再び子どもを誘拐するなどして一族を形成した。そのほか「ファーストストールン」「セカンドストールン」「カウ」「アースイーター」「ラビット」など、バラエティに富んだキャラが揃っているのである。映画ではウーマンとその仲間達みたいな描かれ方で少し物足りない。まあ、時間がないからしょうがないけど。
ちなみに映画では、襲撃者達は1950年代に行方不明になった灯台守の末裔というギミックが付けられている。灯台守がなぜ食人族に?
11年前の事件とは、前作「オフシーズン」で描かれた事件である。
アメリカの片田舎でオフシーズンになると人もまばらな僻地に引っ越した女性編集者とそこへ遊びに来た恋人や友人の計6名が襲撃者に襲われる。そこへ当時警察署長として勤務していたジョージ・ピーターズ率いる警察官たちも巻き込んでの地獄絵巻きが展開されるお話である。ほとんどが死に、しかも救いのないラストで後味の悪さが光るなかなかの作品である。
今回も同様に、生き残ったウーマン一族とゲームデザイナーのデイヴィッドとその家族・友人、そして警官と元警官のジョージ・ピーターズの戦いの図式。また、この作品では最後に襲撃者側に寝返るという暴挙を働いた、最低の中でもさらに最低のキャラ、デイヴィッドの妻の友人の夫スティーヴンの存在にも注目してほしい。それにしても、巨匠スティーヴン・キングに絶賛されておきながらこのキャラにスティーヴンという名前を付けるとは…。
最初はデイヴィッドの家を襲う襲撃者達。デイヴィッドは素早く殺され、腸を抜き取られ食材としてお持ち帰り。デイヴィッドの妻エイミーは、そのままお持ち帰り。2人の子どもで赤ちゃんのメリッサ、エイミーの友人クレアとその子どもルークは窓から逃げ出すが、ちょっとした攻防の末エイミーは捕まりお持ち帰り。少年ルークと赤ちゃんメリッサは、昼間に見つけた木の上にある秘密基地に隠れる。
エイミーとクレアは襲撃者のアジトである海辺の洞窟で捕らえられ、さんざんと嫌な目に遭っている。そこへデイヴィッドの家に向かっている途中の別の場所で捕らえられた暴力夫スティーヴンも運び込まれる。
襲撃者達は赤ちゃんをやたらと敬っている。確かに一族にとって子孫の繁栄を象徴する赤ちゃんの存在は貴重なのである。その赤ちゃんの居場所を聞き出したい襲撃者達。スティーヴンはあろうことか、自分の命ほしさに妻クレアから赤ちゃんの居場所を吐かすためのアドバイスを襲撃者達に送るのである。下衆の極み!
すったもんだしているうちに今回もジョージ・ピーターズが洞窟にやってきて銃撃戦。双方に犠牲者を出し銃撃戦終了。
一方、木の上の秘密基地。赤ちゃんメリッサを巡り、少年ルークと襲撃者側の少年とのバトル。ルークが襲撃者側の少年が持っていた斧を奪い取り、一撃を加えて勝利。襲撃者側の少年は木下へ落下。なかなか子どもが子どもを殺すシーンは珍しい。しかもラストで。さすがケッチャム。
小説を読んでいるだけに物足りなさは感じるが、この手の作品が好きな人にはそれなりに楽しめる出来になっていると思うので、見て損はない作品である。だが、オススメは先に原作2作を読むことである。
ちなみに、なかなか書店には置いていない。
●関連作品・記事
『隣の家の少女』
【MARKING】
オススメ度:★★★★★★6
えげつない度:★★★★★★★★8
動物捕まえる方が楽そう度:★★★★★★6
禍々しい度:★★★★★5
【INFORMATION】
・原題:OFFSPRING
・製作年:2009年
・製作国:アメリカ
・監督:アンドリュー・ヴァン・デン・ハウテン
・製作:アンドリュー・ヴァン・デン・ハウテン、ウィリアム・M・ミラー、ロバート・トニーノ
・原作:ジャック・ケッチャム『OFF SPRING』
・脚本:ジャック・ケッチャム
・出演:アート・ヒンドル、ポリアンナ・マッキントッシュ、アナ・テスラー、ホルター・グレアム、エイミー・ハーグリーヴス、エリック・カステル、アンドリュー・エルヴィス・ミラー、スペンサー・リスト、トミー・ネルソン、ジェシカ・バトラー、レイチェル・ホワイト、ジャック・ケッチャム
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襲撃者の夜 食人族 the Final
セッション9
「北米一恐ろしい廃墟」といわれるダンバース州立精神病院を舞台に、アスベスト除去にやってきた5人の男たちに襲いかかる恐怖を描く。
【STORY】
1985年に閉鎖されて以来、廃墟と化したダンバース州立精神病院。この建物が公共施設として改修されることになり、アスベスト除去のために5人の男が訪れる。彼らは高額の報酬の代わりに、1週間という短い期間での作業を強いられる。作業中に古い診療記録を見つけたマイクは、メアリーという名の多重人格障害の女性に興味を抱き、診療(セッション)の記録テープを聴く。そして最後のテープ、9番目の診療(セッション)が再生されようとしていた時、彼らに戦慄の事態が起ころうとしていた…
【REVIEW】
今年のはじめ「nupxl」というサイトが「20 Scariest Ghost Movies」(もっとも怖い恐怖映画ベスト20)を発表し、そこで見事3位に選ばれた作品である。
ちなみに1位は『シャイニング』、2位は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』である。ふーむ。
舞台はアメリカ・マサチューセッツ州にあるダンバース州立精神病院。実在した病院である。
この病院は1871年に建設、かつては2400人が収容され、非人道的な治療が行われていたことで有名。現在は禁止されている、脳の前頭葉を切断して患者の精神を安定させるロボトミー手術もここで確立したという説もあるらしい。ちなみに、ロボトミーを考案した医師はノーベル生理学・医学賞を受賞している。へー、へー、へー。
しかもこの地はかつてセイラム村と呼ばれ、セイラム魔女裁判で多数の犠牲者を出した場所でもあるらしい。いわゆる魔女狩りである。
さらにさらに、クトゥルー神話に出てくる架空の都市アーカムのモデルともいわれているのである。
そんないわくつきのエピソード満載のこの病院は、1985年に閉鎖された後、「北米一恐ろしい廃墟」といわれ、全米の廃墟オタクの聖地とまで呼ばれたらしい。残念ながら2006年に中央部の外壁部分を残してすべて解体され、跡地は住宅地として整備されている。住宅地となった今の状況はgoogleマップで見ることができるので暇な人は探してみよう。
そんな場所をロケ地にしてしまったこの作品。
(現実では解体されたが)この病院を公共施設にするために改修することになり、アスベスト除去のために集められた5人の男たち。リーダー格はゴードン。高額の報酬と引き替えに、2週間かかるはずの工事期間をわずか1週間で行う条件を飲んでしまう。娘が感染症を患い、お金が必要なようだ。
工事が始まり、通常の半分しか時間がないアスベスト除去チーム。だがしかし意外にのんびりしている。無駄話をはじめたり、よそ事をしている。
なかでも弁護士志望というマイク。ブレーカーが落ちたので様子を見に行くと、偶然にも診療記録テープが入った箱を発見。患者は診療ナンバー444のメアリーという女性。どうやら多重人格障害らしい。興味を持ったマイクは、急がなければならない仕事を放り出しテープに収められた診療(セッション)の記録を聞き始めるのである。もちろん診療(セッション)記録テープは9本。
また、フィルの彼女を奪ったキャラのハンクは、死体安置所の壁の中から大量の硬貨を発見。早々に仕事を放棄し、海外旅行に行ってしまう。
有毒物質を扱う危険な作業と時間に追われる緊張感の中、メンバーたちの間には徐々に不協和音が。
特にイライラが募るのはリーダーのゴードン。家族の問題も絡めて作品中盤から徐々に精神が不安定になっていく。
意見の衝突、疑心暗鬼、アスベストによる癌の恐怖、暗所恐怖症などなど、各メンバーの精神も徐々に正常な状態からかけ離れていくのである。
そして今までに起こった不可解な出来事とその解明がラストに一気に集約される。
以下結末に触れるので注意してほしい。
大金を発見して早々にトンズラこいたはずのハンクがなぜか地下トンネルに。体操座りをして何やらブツブツ言っている。フィルが話を聞いたところ、ゴードンにやられたと話す。
ちなみに後からわかるが、かけていたサングラスを外すと目にはアイスピックが刺さっている。これは劇中で解説されるが、アイスピック療法というこの病院でも行われていたショック療法で、目の縁からアイスピックを刺し脳を刺激することで患者をおとなしくさせるらしい。先端恐怖症の人にはたまらない治療法である。
一方、診療(セッション)記録テープを聞き続けているマイク。9本目(セッション9)に差し掛かっている。どうやらメアリーの人格の中の1人であるサイモンが誰かを殺したらしい。テープはそこで終了。このテープは何を意味するのか?
そしてゴードン。劇中何度も自宅の前に車を停めて家の入口を見つめるシーン。なぜ自宅へ帰らないのか。そして携帯電話で妻に何度も謝っている。
しかしゴードンは妻が鍋をひっくり返し、それに腹を立てて子どもとともに殺してしまっていた事が明らかに。ゴードンは電話に出るはずもない妻に電話し謝っていたのである。
完全に気が触れているゴードン。何かに怯えるように次々とメンバーを殺していく。結局狂気にとりつかれたのはゴードンだけだったのか?
セッション9のテープによると、メアリーの中にいた殺人者の人格サイモンは、弱い心や傷ついた心の中にいるようで、誰の中にも存在する可能性があるらしい。ゴードンは、ただ精神が崩壊したのではなく、サイモンになってしまったのである。
廃墟となった病院が放つ狂気に徐々に取り込まれていくメンバー。誰が異常で、誰が正常なのかわからない展開。病院からしてみれば、ここに侵入した人物はすべて患者と見なすようだ。いくつもの伏線がいくつもの可能性を想定させるストーリーはなかなか見応えがある。
同時進行で進んでいた診療テープは、直接メンバーとは関係がなかったようだが、ゴードンが最後に取った行動の補足的な役割か。
また、全編にわたって神経に訴えかけるような不気味なノイズのような効果音がなかなかよい。恐怖感が高まる。
このじわじわ来る恐怖感は、実際に観て、聞いて、感じてほしい。
最後に特筆すべきはDVDの特典映像。未公開シーンともうひとつの結末を観ることができる。そこには謎のおばはんが登場しており、メンバーが病院の狂気に取り込まれていく様子を度々傍観している。あのおばはんは誰なのか?作品の冒頭で閉鎖となった病院に帰って来る患者がいるというセリフがあったが、その患者の1人なのだろうか?しかもこのおばはんは、最後にゴードンを殺してしまうのである。
こっちのが衝撃的結末。
確かにおもしろかったが、さすがに3位は評価されすぎでは…。
順位に不満がある人は、グルっぽ「ホラー映画評議会」で現在行われているホラー映画ランキングに自身の考えるランキングを投票してほしい。
最後は宣伝っぽくなってしまったが。てへ。
【MARKING】
オススメ度:★★★★★★★7
えげつない度:★★★★★5
グレイグが一番かわいそう度:★★★★★★★7
禍々しい度:★★★★★★6
【INFORMATION】
・原題:SESSION 9
・製作年:2002年
・製作国:アメリカ
・監督:ブラッド・アンダーソン
・製作:ドロシー・オーフィエロ、デヴィッド・コリンズ、マイケル・ウィリアムズ
・製作総指揮:ジョン・スロス
・脚本:ブラッド・アンダーソン、スティーヴン・ジェヴェドン
・出演:デヴィッド・カルーソー、スティーヴン・ジェヴェドン、ポール・ギルフォイル、ジョシュ・ルーカス、ピーター・ミュラン、ブレンダン・セクストン三世
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鮮血の美学
『エルム街の悪夢』のウェス・クレイヴン、『13日の金曜日』のショーン・S・カニンガムの2人が、まだその地位を築く前に製作された作品。娘を殺された両親の復讐劇を描く。
【STORY】
郊外に住むコリンウッド夫妻のひとり娘マリーは、友人のフィリスとともにコンサートへ出かける。途中2人は、マリファナを買おうとして若者に案内されアパートの一室に入る。しかしそこには刑務所を脱走した2人の殺人者とそのガールフレンドがおり、2人は捕らえられる。翌朝トランクにつめ込まれた2人は強姦されもて遊ばれた上、殺されてしまう。夜になり、殺人者たちは宿を求めてある家にたどり着く。しかしそこはマリーの家だった。マリーにプレゼントしたはずのペンダントを殺人犯の一人が身につけているのに気づき、マリーが殺されたことを知った両親は復讐を誓う…。
【REVIEW】
観た後に結構凹む作品である。
当時問題作として世界各地で上映禁止になったとか、あのジョン・ランディスが「そこまでする意図がわからない」とかいわれてしまった作品である。
予告編では「繰り返します。これは映画です!」が連呼されたらしい。
監督・脚本は『エルム街の悪夢』『スクリーム』のウェス・クレイヴン。監督処女作。製作は『13日の金曜日』のショーン・S・カニンガム。まだ名を馳せる前とはいえ、興味深いコンビである。
田舎に住む美しい少女マリーは、友人のフィリスとともに都会へコンサートに出かける。この日はマリーの誕生日らしく、出かける前に父親がマリーにネックレスをプレゼントする。
都会に出てテンションが上がってしまったのか、2人は急にマリファナを手に入れようと目論む。とあるアパートの前に立っている若い男にマリファナの件を尋ねると、男はアパートに招き入れる。アイスクリームで我慢しとけっての。
アパートは刑務所から脱走した殺人犯のアジトだった。メンバーは4人。リーダーとその愛人、その子ども、手下である。どんな悪事を働いたのかは、マリーとフィリスがコンサートへ向かう車の中のラジオで丁寧に説明してくれている。
まんまと捕らえたマリーとフィリス。4人は暇つぶしとばかりに蹂躙するのである。
翌朝。カナダかどこかへ逃亡するために車で出発する凶悪犯4人。マリーとフィリスは車のトランクに放り込まれている。
途中森の中で車が故障。4人はマリーとフィリスを連れて森の中へ入っていく。
一方、朝になってもマリーが帰ってこないことでオロオロしている両親。警察に通報し、2人の警官がやってくる。状況を聞き、しばらくしたら帰ってくると告げて帰って行く。帰りがけに家の前で故障している車を見かけるが、警官は無視して帰って行く。
凶悪犯4人の車がストップした場所はマリーの家の近くだったのである。奇跡的な予定調和。
そして森の中。凶悪犯4人は、これでもかというほど残酷な手法でマリーとフィリスを弄ぶ。逃げようとしたフィリスを素早く殺害。なぜか内蔵を引きづり出すおまけ付き。マリーの方は強姦される。失意のマリーは近くの湖に入水自殺を図る。だがその前に凶悪犯に頭を打ち抜かれて死亡するのである。
このあたり不快感マックス。
一方、逃走中の犯人が使っている車種が判明し、マリーの家の前で故障していた車だとわかった警官は慌ててマリーの家へ向かう。だがしかし、途中でガス欠で立ち往生。どうしようもない2人。ニワトリを運ぶ車に乗せてもらおうとして断られるといった、この状況ではとうてい笑えないドタバタ劇を繰り返す。
2人の命を奪った後、遊び終わった子どものように軽い感じの凶悪犯4人。その日の宿を求めて近くの民家にたどり着く。マリーの家である。
人の良いマリーの両親は、快く4人を迎え入れ、食事とその日の宿を提供する。
夜中。人を殺したことで罪の意識に苛まれた凶悪犯の1人は、気分が悪くなりトイレに駆け込む。心配したマリーの母親は介抱に向かうが、そこでその凶悪犯がマリーにプレゼントしたはずのネックレスをしていることを発見。凶悪犯が泊まる部屋からは誰かを殺した雑談が聞こえてくる。
マリーはこの凶悪犯によって殺されたと確信した両親は復讐を誓う。
母親は凶悪犯の1人を熟女の誘惑で外に連れ出して殺害。
父親は家の中に数々のトラップを仕掛ける。が、残念ながらこのトラップはあまり有効ではない。しかし地下からチェーンソーを引っ張り出して殺害。復習に成功するのである。
チェーンソーを使った殺人。『悪魔のいけにえ』の2年前の出来事である。
ようやくたどり着いた警察2人。復讐を遂げた後の両親2人を絶望のまなざしで見つめるしかなかったのである。おしまい。
この作品は『処女の泉』をベースに描かれたといわれているが、こちらの作品は、最後は宗教的な救いで落としどころを見つけている。しかしこの『鮮血の美学』は、まったく救いのないラストでとても後味が悪い。
2009年のリメイク作品は、マリーに相当する少女が死なないという、それはそれでどうなんだ?という作品に仕上がっているらしいが。
●関連作品・記事
『エルム街の悪夢』
『スクリーム』
『13日の金曜日』
関係者別INDEXは→こちら
【MARKING】
オススメ度:★★★★4
えげつない度:★★★★★★★7
音楽コミカル過ぎ度:★★★★★★6
禍々しい度:★★★★★5
【INFORMATION】
・原題:THE LAST HOUSE ON THE LEFT
・製作年:1972年
・製作国:アメリカ
・監督:ウェス・クレイヴン
・製作:ショーン・S・カニンガム
・脚本:ウェス・クレイヴン
・出演:デヴィッド・ヘス、ルーシー・グランサム、サンドラ・カッセル、マーク・シェフラー、ジェラミー・レイン、フレッド・リンカーン、ゲイロード・セント・ジェームズ
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ゾンビハーレム
離婚した友人を元気づけるための傷心旅行で出かけた一行が女ゾンビに襲われるコメディ・ホラー作品。
【STORY】
一方的に妻に別れを切り出されたヴィンスを励ますため、彼と友人6人の男たちが傷心旅行に出かける。行き先は仲間の一人の故郷であり、女性の人口が男性の4倍というムードリーという小さな町。町に着いてさっそく女性に声をかけるが、振り向いたその女性は恐ろしい姿をしたゾンビだった…。
【REVIEW】
意外におもしろい。その取って付けたようなタイトルから駄作を予感していたが、意外におもしろい。早い段階で言っておくがそのタイトルとは裏腹にエロはない。
一方的に妻から別れを切り出されて逃げられた男・ヴィンス。哀れな男ではあるが友人には恵まれているらしい。各々、妻や恋人の制止を振り切って、ヴィンスを励ますべく傷心旅行に出かけるのである。
行き先はムードリーという町。なんと女性の人口が男性の4倍らしい。ほぅほぅ。そんな町で一行は、ひたすらハメを外そうというのである。チャーターしたバスの運転手は美女。彼らは彼女をキャンディと呼ぶ。
ムードリーに着く一行。広大な森の中にある陸の孤島である。ハメを外すべく彼らはさっそく町をウロウロするが、なぜか人の気配がない。
そのうちになぜか軍人が女性と格闘している場面に出くわす。女性が襲われているものと思った一行は軍人を集団で叩きのめし女性を救う。だがしかし、その女性の様子がおかしい。そう、ゾンビである。
この町はなぜか女性が全員ゾンビ化してしまったらしい。残された男性陣はというと、当然エサである。すでに男性(エサ)の姿は軍人と一行以外にはいないが。
エサがのこのこやってきたとばかりに一行に襲いかかるゾンビ。いい歳こいた大人の男たちがワーワー言いながら何が起こっているのかわからずに逃げ回る様子はとてもコミカルだが、緊迫感がある。
ちなみにゾンビたちはウエディングドレス、美容師、歯科医師など、さながらゾンビコスプレ大会のよう。肉屋のおばはんは引くぐらいインパクトがあるが。
こんな町ではハメを外せるものも外せないと、乗ってきたバスに逃げ帰る一行。だがしかし、バスに乗っていた運転手キャンディもすでにゾンビに…。
途中で揉めた軍人の話によると、ゾンビ化する原因はウイルスで、女性だけが空気感染するらしい。ほぅほぅ。
こうしてゾンビたちと戦うことになったヴィンスたち一行。ここでの戦い方も非常にユーモアがあっておもしろい。
おもちゃ屋でライトセーバーのおもちゃを武器にしようとしたり、ラジコンで仲間の元へトランシーバーを運んだり、水鉄砲にラジコン燃料用のニトロを入れて火炎放射器にしたり。
さらには女装をすることで仲間と思わせゾンビをやり過ごすというシーンも。
どこかで見たようなシーンもあるにはあるが、なかなか工夫されている。
そして終盤。いったんはバラバラになっていた一行が教会に集結する。教会内はなぜかパソコンなどの研究設備が。パソコンを起動させると町中を監視するモニターだったことがわかる。
どうやらこの町の女性だけがゾンビ化したのはキャットハウス計画と呼ばれるウイルス実験らしい。洗剤にウイルスを混ぜていたようで、第一段階がゾンビ化するための感染、そして第二段階が変異らしい。変異?
そうこうしているうちに教会へ大挙してデモンズ、じゃなかったゾンビが襲いかかる。しかも地下はゾンビの巣だったらしく地下からもゾンビたちが。絶体絶命の一行。
ここで、車が故障して集合時間に間に合わず置いてけぼりをくったバンクシーという男が登場。状況を理解していないおとぼけキャラを発揮する。
終盤で立て続けに数名死亡。生き残ったヴィンス含めた3人で何とかバスに乗り込み脱出。おしまい。
かと思いきや、1人生きていたことがトランシーバーからの連絡で発覚。救出に戻る。生き残っていたグレアムは、軍が開発した女性だけに聞こえて苦しませる超音波発生装置を入手していた。メンバーたちと合流してそれを使うとゾンビたちの動きは止まり苦しむ。
ここで調子に乗るのがこいつらの悪いところで、スイッチを入れたり切ったりの悪ふざけ。リモコンを投げて別の人に渡そうとしたところ、落として壊れる。そして当然ゾンビたちが襲ってくるのである。
4人は慌てながらも、笑顔で走って逃げていく。おしまい。
基本的にはコメディのノリだが、えげつないシーンや緊迫感のあるシーンもありなかなか飽きのこない作品。ヴィンスが過去と決別するシーンなどは少し感動もある。
何よりも、いいおっさんたちが子どものように悪ふざけしたり、逃げ回ったり、戦ったりする姿はとても共感できる。
いい歳こいて友人と飲みに行った後、みんなで公園にカブトムシを真剣に捕りに行く自分も、いつまでも少年のような気持ちを忘れずにいたいと思う。
これってピーターパン症候群ってやつかな…
【MARKING】
オススメ度(男性限定で):★★★★★★★7
えげつない度:★★★★★★6
ゾンビはどうやって人間とゾンビを区別してるのか?度:★★★★★5
禍々しい度:★★★★★★★7
【INFORMATION】
・原題:DOGHOUSE
・製作年:2009年
・製作国:イギリス
・監督:ジェイク・ウエスト
・製作:マイク・ラヴデイ
・脚本:ダン・シェイファー
・出演:ダニー・ダイア、スティーヴン・グレアム、ノエル・クラーク、エミル・マルヴァ、リー・イングルビー、キース=リー・キャッスル、クリスティーナ・コール、テリー・ストーン、ニール・マスケル、エミリー・ブース
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USJの今年のハロウィンはゾンビ!
い、行きたい。
どこまでゾンビの世界観をリアルに体感できるか。
公式サイト
PR: 【500円】パンづくり体験レッスンの参加者募集中
リセット
大停電と同時に人々が忽然と姿を消し、闇に覆われた世界で生き残った4人の男女のサバイバル劇を描く。監督は『セッション9』『マシニスト』のブラッド・アンダーソン、主演は『スター・ウォーズ』シリーズのヘイデン・クリステンセン。
【STORY】
アメリカ・ミシガン州・デトロイトで突如停電が発生し、人々が忽然と姿を消す。その後72時間経っても電気は復旧せず、太陽は昇らず、世界は闇に包まれる。偶然にも生き残った映写技師のポール、理学療法士のローズマリー、TVレポーターのルークは、非常用発電機で光を灯す一軒のバーに辿り着く。そこには外出した母親の帰りを待つ少年ジェームスがいた。4人は襲いかかる闇の恐怖と戦いながら安全な場所をめざすが…。
【REVIEW】
世界中の人々が忽然と姿を消すという今やありがちな設定から始まったこの作品。監督は『セッション9』『マシニスト』とひと癖ある作品を発表しているブラッド・アンダーソンである。
映写技師のポールはいつものように映画館で働いていた。館内や映写室は上映中は暗いので、頭に洞窟探検の時に付けるようなライトを装備している。ちなみにポールを演じるのは『ランド・オブ・ザ・デッド』でチョロ役を演じたジョン・レグイザモ。
そして停電を機に、気がつくと周囲の人間が残らずいなくなっているのである。衣服だけでなく、メガネや入れ歯も残して。訳もわからず歩き回っていると、生き残っていた警備員と合流する。しかしこの警備員は闇に襲われるような感じで死に至るのである。衣服などを残して。
一体何が起きたのか?
一方、TVレポーターのルークは、キャンドルを灯した寝室で目を覚まし、出社しようと外に出たところ、街中に衣服が落ちていたり、車が事故を起こしたりして事の重大さに気づくのである。ちょうどいいタイミングで飛行機も墜落する。
ルークを演じるのは『スター・ウォーズ』新シリーズでルークではなく「選ばれし者」アナキン・スカイウォーカー(ダースベイダー)を演じるヘイデン・クリステンセン。「選ばれし者」といっても前田日明ではない(わかるかな?)。
どうやら、停電時に自ら所持する何らかの光を持っていた人間は闇の驚異を逃れたらしい。理学療法士のローズマリーに至っては、停電の瞬間にタバコに火をつけたため消滅を逃れるというラッキーぶりである。
その後一向に電気は復旧せず、なぜか太陽も昇らない。72時間経過。
懐中電灯など光り物を山ほど携えて、ルーク、ポール、ローズマリーは、非常用発電機で光を灯す一軒のバーに集まる。そしてそこには出かけた母親の帰りを待つ少年ジェームス。
4人ですったもんだのサバイバル劇を繰り広げるのがこの作品である。
一体何が起きているのかわからない状況に対し、ポールは「ロアノーク島失踪事件」の話を始める。
この事件は実際に起きた出来事で、ロアノーク島に渡った植民者117人が忽然と姿を消したというものである。理由は諸説あるようで、母国に戻ろうとして海で事故にあったとか、スペインが攻めてきて全滅したとか、食人族に食い尽くされたとか。この作品では、その中の一説である地元のクロアタン族に吸収されたという説を採用している。ロアノーク島に砦の柱に彫られていたという「クロアトアン(CROATOAN)」という言葉と同じく、この作品にも「CROATOAN」という落書きが見られる。
だが上記のエピソードは残念ながら提示されただけで、本編とはまったく絡むことなくほったらかしに。真相とは関係ないようだ。
結局何が起こっているのかよくわからないままメンバーは次々と闇の犠牲になっていく。
ポールがやられ、ローズマリーもやられ、そして意外にもルークもやられるのである。やられる直前に「I Hate You !」と言ったかどうかは定かではない。
生き残ったのは少年ジェームスのみ。しかしそこに生き延びていた少女が姿を現し、2人でなぜか唐突にやってきた馬に乗って去っていく。おしまい。
ノアの方舟のようにリセットされてしまった世界。そして残された2人は新世界のアダムとイヴなのか?
それにしても、人々が消えた後に脱ぎ散らかされた服のように数々の謎が散らかったまま回収されず。まさに真相は闇の中。
まあしかし、昨今の節電ムードの中、ある意味電気の大切さを教えてくれた作品である。
●関連作品・記事
『セッション9』
『ランド・オブ・ザ・デッド』
【MARKING】
オススメ度:★★★★4
えげつない度:★★2
地下室のトンネルが気になる度:★★★★★★★★8
禍々しい度:★★★★4
【INFORMATION】
・原題:VANISHING ON 7TH STREET
・製作年:2010年
・製作国:アメリカ
・監督:ブラッド・アンダーソン
・製作:ノートン・ヘリック、セリーヌ・ラトレイ、トーヴ・クリステンセン
・制作総指揮:エレイン・ヘリック、マイケル・ヘリック、ピーター・グレイヴス、ローレンス・マティス、ケリー・マコーミック、ケン・ヒアッシュ、ニック・クエステッド
・脚本:アンソニー・ジャスウィンスキー
・出演:ヘイデン・クリステンセン、タンディ・ニュートン、ジョン・レグイザモ、ジェイコブ・ラティモア、テイラー・グルーサイス、ジョーダン・トロヴィリォン
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コリン LOVE OF THE DEAD
製作費をほとんど掛けずに撮った自主製作作品ながら、ゾンビを主人公にするという発想と完成度の高さが評判となり話題を集めたイギリスのゾンビ作品。
【STORY】
死者が蘇りゾンビとなって徘徊するロンドン。青年コリンもゾンビに噛まれてしまい、やがて意識を失い、そして命を落とすが再び甦る。コリンは朦朧とした意識の中、ふらふらとロンドンの街へ。わずかに残った生前の記憶を頼りに、コリンはある場所へ向かうが…。
【REVIEW】
スタッフ・キャストを有志で賄い、わずか45ポンドという低予算で製作されたことが話題となり、それにしては完成度が高いと注目された作品。
ちなみに45ポンドは、この記事のアップ時点で日本円にして5578.05384円である。
ゾンビ自身が主人公でゾンビの視点から描くという比較的珍しい手法。動きの襲いゾンビが主人公だけに淡々としたペースで物語は進む。
大群のイメージがあるゾンビだが、ゾンビ一人ひとりにドラマがあるわけで、その1人にスポットを当てると、かくも儚いゾンビ映画ができてしまうのである。
何らかの事情でゾンビが徘徊することになった世界。
この「何らかの事情」というアバウトな導入が、ゾンビファンには微笑ましい部分であり、それ以外の人にとってはイラッとする部分である。
主人公の青年コリンは慌てた様子で家に帰ってくる。どうやら腕をゾンビに噛まれたようだ。ウイルス的な何かが血液を通して全身を巡っているようで、苦しむコリン。
やがて意識を失い、そして甦る。
そして、ふらふらと立ち上がり、ロンドンの街へ。
街ではゾンビたちが人間を襲っている。人間たちもゾンビを覆っている。地獄絵巻。
コリンはゾンビに襲われない。どうやらゾンビになってしまったらしい。
そのかわり、人間に襲われる。窃盗団みたいな連中。コリンのスニーカーを狙っているようだ。ちなみにそのスニーカーはエアマックス’95ではないようだ。
だがそこへ助けに入る1人の女性。コリンの姉である。窃盗団を蹴散らしたが、コリンは姉を噛んでしまうのである。あぁ無情。
さまよい続けるコリン。ゾンビになりたての新米だからか、なかなか食べ物(人間)にありつけず苦労するコリン。ゾンビの世界も大変だなぁ。
ところがいきなり頭に布袋をかぶせられ、連れいて行かれるコリン。やられたい放題。
しかし、連れて行かれたのは姉の家だった。姉はコリンに私を憶えているかとか、写真を見せたりして過去の記憶を呼び覚まそうとする。しかし効果なし。
姉は実家に連れて行き、母親に会わせれば思い出すと考えるのである。
再び布袋をかぶせられ、連れて行かれるコリン。この布袋の中の様子を映し出すシーンはなかなかおもしろい。不安げなコリンの表情がいい。
実家に着いて母親に会わせるがまったく効果なし。
そうこうしているうちに、コリンに噛まれていた姉もゾンビになってしまう。
コリンと姉をキッチンに残し、実家を離れる家族たち。母親がキッチンの窓を外側から新聞紙でふさぐシーンはとても印象的である。
コリンに対する憐れみと姉を噛んだ怒りと、しかし当然抱く愛情とが入り交じった表情が実に切ない。
実家のキッチンを抜け出し、再び街へ出るコリン。今度はゾンビハンターの一行に襲われる。リーダー格の男の武器はなぜかパチンコ(Y字の木にゴムが付いたやつ)。しかしこれがなかなかの破壊力。ここでコリンは結構痛めつけられる。しかしそこはゾンビ。立ち上がり、再び歩き始めるのである。
ここではゾンビハンターの数人が噛まれ、他のメンバーに処刑されるシーンがとても印象的。本当に怖いのは人間であるという、ロメロ作品に通じるシーン。
歩き続けるコリン。どうやら人間としての意識はないようだが、生前の記憶を頼りに無意識にある場所へ向かっているようだ。
これまた無意識にショッピングセンターに集まってくるロメロ作品の中のゾンビに通じるシーンである。
コリンがたどり着いたのは恋人の家。
ここで場面は過去の回想シーンへ。物語が始まる少し前。恋人の元を訪れるコリン。恋人は風呂場にゾンビを閉じ込めたらしい。そのゾンビを仕留めようとするが恋人が噛まれる。しかしコリンは、ずっと恋人に寄り添うのである。
だがしかし、ゾンビとなった恋人はコリンの腕を噛んでしまう。
そう。
コリンもまた、愛する人を想うがゆえに噛まれてしまったのである。
家へと帰って行くコリン。この後から冒頭のシーンが始まるのである。
コリンは最後に恋人の家でこのシーンを思い出したようだ。おしまい。
1人の人間がゾンビとなる過程の描写がとても興味深い。
ウイルス的な何かに全身が犯され、薄れゆく意識の中で人間としての理性を失っていく恐怖と戦っている姿は非常に心が痛む。
だがしかし、ウイルス的な何かには勝てず、人間としての理性を失い、ゾンビと化し、愛する人さえも傷つけてしまう。
一方、ゾンビに対して恐怖や怒りを持ったとしても、愛していたその人が目の前でゾンビになってしまったときには、その人を救おうとゾンビに近づき犠牲になってしまうのである。
人間が自らの「愛」が原因でゾンビの餌食になる。
ゾンビの最大の武器は「愛」なのである。たぶん。
LOVE OF THE DEAD.
【MARKING】
オススメ度:★★★★★★★★8
えげつない度:★★★★★5
最初のダミアンとコリンの関係は?度:★★★★★★★★8
禍々しい度:★★★★★★★7
【INFORMATION】
・原題:COLIN
・製作年:2008年
・製作国:イギリス
・監督:マーク・プライス
・製作:マーク・プライス
・制作総指揮:ジャスティン・ヘイルズ
・脚本:マーク・プライス
・出演:アラステア・カートン、デイジー・エイトケンス、リアンヌ・ペイメン、ケイト・オルダマン
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実は・・・
ガバリン
叔母の死後、住んでいた館に移り住んだ作家が遭遇する奇怪な現象を描いた作品。製作は『13日の金曜日』(監督/製作)『鮮血の美学』(製作)のショーン・S・カニンガム。監督は『13日の金曜日 パート2』『13日の金曜日 パート3』スティーヴ・マイナー。
【STORY】
ホラー作家として名を馳せたロジャーだが、叔母の家を家族で訪れた際に息子ジミーが突然失踪してしまう。その後、妻とは疎遠になり、執筆業もうまくいかない日々が続く。ある日、叔母の死をきっかけに叔母が住んでいた屋敷に移り住み、ベトナム戦争に行った自身の体験をベースにした作品を書き始める。しかしその屋敷では、夜の12時なると奇怪な現象が起こる…。
【REVIEW】
まず特筆すべきは、かの『13日の金曜日』の生みの親ショーン・S・カニンガムと『パート2』『パート3』監督のスティーヴ・マイナーの2人による「13金」コンビが手がけた作品ということである。ちなみに音楽も「13金」のハリー・マンフレディーニ。
原題が「HOUSE」ということで、いわゆるお化け屋敷ものである。
主人公はホラー作家のロジャー・コッブ。ベトナム戦争に参加した退役軍人である。ロジャーは家族を連れて叔母の屋敷を訪れるが、ふとした間に息子のジミーが姿を消してしまう。プールに飛び込んだり、叫び倒したりして探すが見つからない。
この頃から何やら様子がおかしかった叔母は、「この家の仕業」と自分の家にも関わらず不吉な言葉を発して母親の神経を逆なでしている。
それからというもの、妻とは不仲になり、仕事は思うようにいかず、公私ともに不遇の時代を迎えるロジャー。
だがしかし、ある日、叔母が屋敷で首を吊って死亡するという出来事が勃発。
息子の失踪が受け入れられないロジャーは、叔母の家に移り住み、前から書きたかったらしいベトナム戦争の自身の体験を基にした作品を書き始めるのである。
作品を書いている場面では、ベトナム戦地での回想シーンが挟まれる。ベトナムのジャングルのはずだが、いかにもスタジオ感丸出しのシーンである。
順調かどうかは定かでないが、作品を書き続けるロジャー。だがこの屋敷では次々とおかしな事が起こり始める。
壁に飾ってある巨大なカジキが動き出したり、樹木伐採用の巨大なハサミや鉈が飛んできたり・・・。しまいにはある部屋の押入の中から得体の知れない怪物が出現するのである。
という具合に、しばらく隣人のおとぼけキャラのハロルドも巻き込んで屋敷の怪奇現象によるドタバタ劇が繰り広げられる。
さらにはベトナム戦争時や息子の失踪などの辛い経験が主人公の悪夢の中で混ざり合って収拾のつかない状況となって、非常にわかりにくい展開となるのである。
結局はベトナム戦争時に敵に撃たれ負傷した同僚が「殺してくれ」と哀願したにも関わらず、見方を呼びに行ってしまったロジャーへの恨みが諸悪の根源だったようである。この同僚はロジャーが自分にとどめを刺さなかったばっかりに、その後連れて行かれて地獄の拷問を味わったそうで、その怒りたるやハンパではない様子。
その同僚ベンが怪物となってこの家に棲みつき、息子ジミーを奪い、叔母を自殺へと導き、ロジャーを攻撃していたようである。
死んだ叔母は亡霊となって現れ「この家は呪われている」といっていたが、家が呪われているというよりは、ロジャーが恨まれているといった方が正解ではないか。
ということで、叔母が生前に描いた絵をヒントに息子ジミーがいる鏡の中の世界へ行って無事ジムを救い出し、怪物ベンを手榴弾で首尾よくやっつけ、最後に絶妙のタイミングで妻が現れ抱き合っておしまい。
いろんな要素が詰め込まれており、観ていて飽きは来ないのだが、なんとなくすっきりしない展開。
単純に怪物とのドタバタ劇を楽しみたいところだが、やはり時代の流れか、怪物たちの造型にも物足りなさを感じる。
昔観たときはもっとおもしろかった気がするんだが・・・。
ちなみにDVDは絶版になっているようで、かなり高額で取引されているようである。Amazonでは1万円を超えている。
まあしかし、一番気になるのは「ガバリン」とは何のことなのか、であるが。
●関連作品・記事
『13日の金曜日』
『13日の金曜日 パート2』
『13日の金曜日 パート3』
『鮮血の美学』
【MARKING】
オススメ度:★★★★4
えげつない度:★★★3
なのに続編3作もあるよ度:★★★★★★★7
禍々しい度:★★★★★5
【INFORMATION】
・原題:HOUSE
・製作年:1986年
・製作国:アメリカ
・監督:スティーヴ・マイナー
・製作:ショーン・S・カニンガム
・原案:フレッド・デッカー
・脚本:イーサン・ワイリー
・出演:ウィリアム・カット、ジョージ・ウェント、リチャード・モール、ケイ・レンツ、マイケル・エンサイン、スーザン・フレンチ、メアリー・スタヴィン、エリック・シルヴァー、マーク・シルヴァー、アラン・オートリー
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ゾンビ襲来
ゾンビ襲来
ニューギニアから古代の原始人をロンドンに持ち帰った科学者が遭遇する恐怖を描く。出演はクリストファー・リーとピーター・カッシングの名コンビ。
【STORY】
エマニュエル教授はニューギニアで古代原始人の骨を発掘し、ロンドンに持ち帰る。そしてその骨を水で洗うと濡れた箇所の骨が蘇生する再生した肉から血液を採取してみると謎の黒い細胞を発見する。エマニュエルは、これこそが悪の細胞であり、悪とは病であり治療が可能であるという説を唱える。そしてその血液から血清をつくるが…。
【REVIEW】
ハマーフィルムの怪奇映画の2大看板俳優クリストファー・リーとピーター・カッシング出演のこの作品。
クリストファー・リーは、『フランケンシュタインの逆襲』でクリーチャーを演じてその名を馳せ、ドラキュラ伯爵役で人気を不動のものとする。
ピーター・カッシングは、同じく『フランケンシュタインの逆襲』のフランケンシュタイン博士役や『吸血鬼ドラキュラ』でドラキュラ伯爵に対決を挑むヴァン・ヘルシング教授で人気を博した。
そしてこの作品ではゾンビである。ちなみに2人は、この作品以前にも『ゾンビ特急“地獄”行 』(ナイスタイトル)で共演しているが。
ピーター・カッシング演じる科学者エマニュエル教授。ニューギニアで古代原始人の骨を発掘し、世紀の大発見としてロンドンに骨を持ち帰る。その骨はネアンデルタール人の地層より深いところから発見されたが、頭部(脳)の大きさが異常に大きい。ついでに体も今の人間よりかなり大きい。見た目は宇宙人。古いのに進化した生物の骨ということで進化の理論が覆されたため、世紀の大発見なのである。うれしさのあまり愛娘ペネロピとの朝食も忘れるエマニュエル教授。
そのエマニュエル教授のもとに、精神病院に収容中であった妻が海外滞在中に死んだという手紙が届いていた。エマニュエル教授は慌てて精神病院へ。精神病院の院長はクリストファー・リー演じるジェームズ博士。エマニュエル教授と異母兄弟である。ジェームズは、エマニュエルの研究ばかりが認められていることに相当なジェラシーを持っているようだ。リクター賞(たぶん有名な権威のある賞)をもらうべく、水槽に脳や心臓や腕などを別々に入れて電気を流す実験をしている。フランケンシュタイン博士?
屋敷に戻ったエマニュエルは、例の骨について研究を始める。だがその前に、汚れた骨をきれいにしようと水をかけると、濡れた左手の中指に肉と皮が甦り始めたのである。何が起きたのか?
エマニュエルはさっそく生き返った組織から血液を採取し、顕微鏡で覗いてみる。そこには黒く毛の生えた、見るからに邪悪な感じの細胞が。これこそが「悪」を生み出す細胞であると考えたエマニュエル。つまり「悪」とは病気であり、「悪人」はこの細胞に感染した病気であるとの説を説きはじめる。すごい飛躍。
そしてこの細胞から血清を作れば予防接種の要領で、摂取された人間に免疫ができ、世の中から悪人がいなくなるとまで言いはじめるのである。
そのころ、死んだと思っていた母親が精神病院に収容されていて、最近になって死んだことを、禁止されていた母親の部屋に忍び込んで知ってしまったペネロピ。とてもショックを受ける。
愛娘のペネロピが遺伝で母親のように突然精神に異常を来さないか心配するエマニュエルは、効果が定かでない悪の血清を愛娘に投与してしまうのである。
だがしかし、残念なことに善人になるどころか、悪人になってしまったペネロピ。酒場に繰り出し絡んできた男を殺し、さらには精神病院から脱走した男も殺す。そして警察に御用となり精神病院に運び込まれる。
そこで血液検査をされ、謎の黒い細胞が見つかる。その報告が院長であるジェームズの耳に入り、エマニュエルが何か興味深い研究を行っていると悟のである。
ねぇ、ゾンビまだ?
ジェームズは娘を家に帰すついでに研究の情報を得ようとエマニュエルの家へ。ジェームズは共同研究の話を持ちかけるがジェームズは拒否。
ジェームズは改めて盗人を雇い、例の骨を盗み出すのである。
だがしかし、帰りの馬車で突然の雨。おまけに馬車転倒。骨がまんまと雨に濡れるという予定調和が発生する。
ここでやっと骨がゾンビに。全92分の作品で、開始から80分後にゾンビ登場。
甦ったゾンビ、一番最初のアクションは、「左手の中指がない!」。
(最初に中指だけが蘇生したとき、エマニュエルが切断したため)
ゾンビならそんなこと気にしないでほしかったが、几帳面にもエマニュエルの家に取りに戻るのである。
そしてエマニュエルの家の中へ。じわじわと追いかけるゾンビ。その風貌は宇宙人のようで、みなさんの想像するゾンビでは決してない。逃げるエマニュエル。しかし捕まり、中指をもぎ取られてしまう。
どうやらゾンビが戻ってくることを恐れたエマニュエルが中指を燃やしてしまったらしい。そりゃゾンビ怒るわ。
ここで場面は変わり、冒頭のシーンへ。年老いたエマニュエルがとある男に必死に悪の存在を説明している。このままでは悪に地球は滅ぼされると。悪から世界を助け出せるのは自分だけだと。
しかしその男は冷静に、私があなたを助けている。だから今治療しているのだ、と。その男は精神病院のスタッフだった。
そう。すべてはエマニュエルの妄想だった。
異母兄弟と思っていたジェームズはただの院長。愛娘ペネロピは近くの部屋に収容されていた女性だった。カリガリ博士?
しかしラスト。
助けてくれと哀願するエマニュエルのアップ。檻を持つその手には中指は無いのである。
一連の事件は本当にあったのか?エマニュエルの妄想なのか?観る者にゆだねられた思わせぶりなラストである。
ここまで読んでもらえればおわかりかと思うが、ほとんどゾンビは出てこない。ていうか見た目がいわゆるゾンビではない。人も食べない。もっというと発掘して勝手に持ち帰ったんだから「襲来」とも言い難い。
その代わりに、研究に没頭しすぎた(狂気の)科学者に最後に待ち受ける悲劇やエマニュエルとジェームズの対立、父と娘の愛と葛藤など見どころは十分にある作品である。そして2大俳優の演技。非常に上品。服装もおしゃれ。なんかかっこいい。
まあしかし、ここ名古屋では今はゾンビ襲来より台風襲来の方が恐ろしい。
【MARKING】
オススメ度:★★★★★5
えげつない度:★★2
で、骨の正体は?度:★★★★★★★★8
禍々しい度:★★★★★★6
【INFORMATION】
・原題:THE CREEPING FLESH
・製作年:1973年
・製作国:イギリス
・監督:フレディ・フランシス
・製作:マイケル・P・レッドボーン
・製作総指揮:ノーマン・プリゲン、トニー・テンサー
・脚本:ピーター・スペンスリー
・出演:クリストファー・リー、ピーター・カッシング、ジョージ・ベンソン、ケネス・J・ウォーレン、ダンカン・ラモント、ローナ・ヘイルブロン、ハリー・ロック
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ファイナル・デッドブリッジ
大事故を予知して死を逃れた主人公たちが、逃れられない死の運命に翻弄される恐怖を描いた『ファイナル・デスティネーション』シリーズの5作目。
【STORY】
貸切バスで社員研修旅行に出かけるプレサージュ社一行。バスが巨大な橋に差しかかったとき、サムは橋が崩壊する夢を見る。サムは同僚7人とともにバスを降り、直後に橋は崩落する。幸運にも生き残った8人だが、本来死ぬ運命だった彼らのもとに死に神の魔の手が迫り来る…。
【REVIEW】
実に5ヶ月ぶりの更新である。
この5ヶ月、仕事が多忙でゾンビ状態。ゾンビ映画も観ることができずにゾンビ状態。生きるって何だろう…。
ということで、少し余裕ができたので、あまり待っていた人はいないと思うが、久しぶりの更新である。
見事なまでの死に様の連続が話題となり人気を博したシリーズの第5弾。
これまでの4作は2人の監督が交互に務めていたが、今回の監督はジェームス・キャメロン作品『タイタニック』『アバター』で第2班監督を務めたスティーヴン・クエイル。
1作目は飛行機事故、2作目は高速道路、3作目は遊園地、4作目はサーキット場、そして5作目は橋である。
いつものように主人公が大事故が起こる予知夢を見て、危険を察知し逃げ出した後に、本当に予知夢通りの惨事が起こってしまうのである。
マンネリ化と思うなかれ、今回も冒頭の事故シーンはなかなかの迫力。そして相変わらず死に様も見事である。
生き残ったのは8人。主人公のサムと元カノのモリー、そして職場の同僚や上司6人である。ちなみに元カノのモリーは、予知夢の中で助かったので死ぬことはないとされている。
橋での事故の後、傷心の主人公サムは元カノのモリーの家を訪れる。その家の窓際に、何やら日本語(カタカナ)が書かれた色紙のようなものが飾ってある。判別できる文字としては「ベンゴシ」「イチバンノ」「ゴキブリネ」。
…。 何これ? 弁護士の悪口? 製作サイドの誰かの恨み? 本編と関係ないがとても気になった。
まあ、細かいことはいいとして、大勢が亡くなったプレサージュ社では社葬がしめやかに執り行われる。
そこに現れたのが、トニー・トッド演じるキャンディマンじゃなかった例の男。検死官である。キャンディマンじゃなかった検死官は、生き残ったメンバーに、いかにも訳を知っているような言葉を残して去っていく。
その後、予定通り次々と犠牲者が。
DVDが出たばかりなので、詳細は避けるが、以下、観る前にまったくの情報を入れたくない方は注意してほしい。
最初の犠牲者は、サムと仲の良い同僚ピーターの恋人キャンディス。彼女は見習い社員の大学生で体操部に所属している。そしてその体操部の練習中に悲劇は起こるのである。
天井のエアコンのでっかい扇風機、そのカバーが緩む、平均台に落ちて先が上を向いたネジ、水が滴り落ちて感電しそうな送風機のコード、段違いの平行棒のネジが緩む、などなど、いくつもの「死因の種」を撒き散らして、どれで死ぬ?と思わせておいて悲劇はやってくる。じらし上手。
キャンディスが段違い平行棒の練習をしているときの出来事であった。
ところで、段違い平行棒はなぜ「段違い」にしているのかがとても気になる。
こんな感じで次々と犠牲者が。
2人目は中国鍼、3人目はレーシック手術。眼への攻撃はとても痛そう。
ちなみにこの2人の死に様はいまいちな感じだったが、DVDの特典映像には別の死に様が収録されている。
またしても主人公グループの前に登場するキャンディマンじゃなかった検死官。事故現場で「なぜつけ回す?」と聞くサムたち。検死官は「仕事だ」と答える。そりゃそうだ。
検死官はそこで重要なヒント?を与える。どうやら、死を他人に送れば自分は助かるらしい。身代わりということか。
言ったそばから「身代わり」となる事故が。
サムの同僚で副工場長のネイサン。以前から年上だが部下の工場作業員と不仲。今回もつまらない理由で揉めている。揉み合いの末、工場作業員の方が吊り下げられたでっかいフック引っかかりながら落下して死亡。
まさに「身代わり」となったのである。ネイサン生き延びた?
ちなみにこの事故後のゴタゴタの中で生き残りの一人デニス部長が速やかに事故死している。
元カノのモリーとネイサンが生き延びたとして、死ぬ運命にあるのはサムとピーター。
恋人のキャンディスを失って、自分にもやがて死が訪れる恐怖に耐えかねて、精神的に追い詰められるピーター。
彼の取った行動は「身代わり」作戦である。しかもあろうことか、サムの元カノのモリーを殺そうとする。
サムのバイト先のレストランでサムを含めてひと悶着。格闘の末、サムがピーターを殺してしまう。しかしこれでサムは生き延びることに。めでたしめでたし。
サムは以前からの夢であった料理人になるため、ヨリを戻したモリーとともに飛行機でパリへ。パリ?飛行機で?
そしてここからが『ファイナル・デスティネーション』シリーズファンにはうれしいラストに。ヒントはパリ行き飛行機である。
なるほどと思わせるラストだが、検死官がすでに訳を知っていることを考えると時系列的におかしいのでは・・・?
エンドロールは、これまでの全作品の素敵な死に様ダイジェスト版が流れるので、これまたシリーズファンにはうれしい演出である。
無限ループのかたちとなったこのシリーズだが、トニー・トッドがインタビューで、この作品が興行的に成功したら2本の続編が製作される見込みだと語ったとか、語らなかったとか。
だとしたら今度の舞台はどこだろうか? もはや「ファイナル・デッド~」となれば何でもいい気がするが。
たぶん次は「ファイナル・デッドトイレ」かな。
●関連作品・記事
『ファイナル・デスティネーション 』
『デッドコースター (ファイナル・デスティネーション2)』
『ファイナル・デッドコースター (ファイナル・デスティネーション3)』
『ファイナル・デッドサーキット(ファイナル・デスティネーション4)』
【MARKING】
オススメ度:★★★★★★★7
えげつない度:★★★★★★6
レーシック手術絶対しない度:★★★★★★★★★9
禍々しい度:★★★★★★★★8
【INFORMATION】
・原題:FINAL DESTINATION 5
・製作年:2011年
・製作国:アメリカ
・監督:スティーヴン・クエイル
・製作:クレイグ・ペリー、ウォーレン・ザイド
・製作総指揮:リチャード・ブレナー、ウォルター・ハマダ、デイヴ・ノイスタッター、エリック・ホルンバーグ、シーラ・ハナハン・テイラー
・脚本:エリック・ハイセラー
・出演:ニコラス・ダゴスト、エマ・ベル、マイルズ・フィッシャー、アーレン・エスカーペタ、デヴィッド・ケックナー、トニー・トッド、エレン・ロー、ジャクリーン・マッキネス・ウッド、P・J・バーン、コートニー・B・ヴァンス
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君はゾンビに恋してる
ゾンビマニアの女子高生とゾンビにされてしまった男子高生の恋?を描く。監督は『STACY ステーシー』『吸血少女対少女フランケン』『エロ怖い怪談 第壱之怪 イグアナ女』『エロ怖い怪談 第弐之怪 ポルターガイスト』の友松直之。主演は、羽田あい。
【STORY】
ゾンビの恋人を作ることが夢であるゾンビマニアの女子高生ヒトミ。ある日、「ゾンビ君」と呼ばれる冴えない高校生・将太と出会う。将太が本当のゾンビではないことにがっかりするヒトミだが、ゾンビパウダーを使って将太をゾンビにしようとするが・・・。
【REVIEW】
さて、久しぶりの邦画の紹介。監督は、エログロ王子(勝手に命名)こと友松直之。主演は、モンロー女優の羽田あいである。ほー。
主人公はゾンビをこよなく愛する女子高生。
携帯の待ち受け画面は『サンゲリア』。素晴らしい。
部屋には『ゾンビ』『バタリアン』『28日後…』などのDVDや「ゾンビ大辞典」、フィギュアなど多数。素晴らしい。
『死霊のしたたり』を観ながら、「ハーバード・ウエスト、素敵…」と言ってのける。素晴らしい。
さらには、ロメロ以前のいわゆるブードゥーゾンビについてやゾンビにモンスターとしてのアイデンティティを持たせたロメロの偉業、感染もののゾンビの位置づけなど、ゾンビファンの心を鷲掴みにする話をたたみかける。
素晴らしい。
ゾンビマニアJKをひたすら褒め称えて終わるわけにはいかないので、ストーリーについても話題に移ろう。
このゾンビマニアJKヒトミの夢は、ゾンビの恋人を作ること。いや、何もそこまで・・・。
同じ高校で運良く出会ったのが「ゾンビ君」というあだ名で、ひたすらいじめられている男・将太。
「ゾンビ君」と呼ばれているからにはゾンビに違いないと思ったヒトミは、将太に接近。しかし本物のゾンビではないことに気づき落胆するのである。そりゃそうだ。
だがしかし、ゾンビに出会えないのならば、自らゾンビを創り出そうと、ヒトミはゾンビパウダーの生成に着手するのである。この流れは『死霊のしたたり』を観るというシーンが効いている。
フグの毒やトリカブト、人骨、ネット通販で買った謎の石などを調合し、ゾンビパウダーの生成に成功。将太をパンチラ作戦で誘導し、学校の屋上から落下させ、ゾンビパウダーを振りかけるのである。
死亡した将太は、葬式の最中に蘇生。ゾンビの誕生である。
念願のゾンビをものにしたヒトミ。一緒に住んでラブラブな(死語?)時間を過ごす。だがしかし、普通の食べ物に食欲がわかず、腐敗していくゾンビ将太。ヒトミは友人のJKを殺害し、エサとして与えてしまうのである。おそるべしゾンビ愛。
その後、ゾンビ将太は率先して生ゴミを片付けたり、人助けをしたりして、徐々に街中の人気者に。サインまでねだられる始末。展開が強引だが、広告代理店から声がかかり、CMにも出演する。流行りものには何でも手を出す広告代理店への風刺か。ちなみにそのCMは「新発売炭酸飲料ブラッディコーク」。
なぜだか人気者になってしまったゾンビ将太。ヒトミは自分が創り出したのに、とヤキモチ。
だがしかし、エサとして殺してしまった友人JKの死体が見つかりヒトミをかばったゾンビ将太は逮捕されてしまう。
ここで問題となるのが、身元不明・国籍不明のゾンビを日本の法律で罰することができるのか、ということ。そして、すでに死んでいるのだから処罰を与えることも無意味。
そうなのである。ゾンビは日本国憲法の人権の享有主体たり得ず、権利義務関係が生じなければ、処罰の対象にもならない存在なのである。
よってゾンビ釈放。だが世間の目は冷たく、夏になって腐敗が進み悪臭を漂わせるゾンビに対し世間は排除運動を起こすのである。
一方、ヒトミの方はゾンビ将太に庇ってもらったのにもかかわらず、唐突に現れたホッケーマスクのアレ風の男に心移り。ここは将太だけでなく、ゾンビファンもがっかりのシーンである。家でも『13日の金曜日』を鑑賞してしまう体たらく。ちなみにこの男のバイトの給料日は「13日」。
絶望するゾンビ将太。住民からの罵詈雑言は諸行無常の響きであり、過去の人気からの落差に盛者必衰を痛感したことであろう。
フラフラと彷徨うゾンビ将太。とある山中で自ら穴を掘り、自然へ還ろうとするゾンビ将太。せつない。
一方、そんなことはお構いなしに、俄然盛り上がるヒトミとホッケーマスクのアレ風の男。
しかし突然、シャワー中のヒトミを斧で襲って惨殺してしまうのである。どうやら、ホッケーマスクのアレ風の男、その風貌通りのアレだったようである。
死体を山中に運ぶホッケーマスクのアレ風の男。そして死体を捨てるホッケーマスクのアレ風の男。
しかしそのとき、一緒に捨てたヒトミの服のポケットからゾンビパウダーがこぼれ落ちるという予定調和が発生。ヒトミはゾンビとして甦る。
さらにはこの山はゾンビ将太が自ら穴を掘って自然に帰ろうとしていた山だったという、予定調和の連続技。
ゾンビ将太とゾンビヒトミ、ゾンビ同士でめでたしめでたしとなるところであったが、ゾンビ将太の怒りが収まらない。ヒトミを殺したホッケーマスクのアレ風の男との最終決戦。
しかし、ヒトミのアシストによりあっさり決着が付き、さらにホッケーマスクのアレ風の男は二人の食料となってしまうのである。おしまい。
ゾンビマニアJKという秀逸な設定とホラー映画ファンをニヤニヤさせる演出でなかなか楽しめる作品である。
しかも、マスコミに踊らされる愚かな現代人とエロ、排他的な日本人の価値観とエロ、因果応報の教訓とエロ、法律問題とエロなど、閉塞感漂う現代社会に向けてさまざまな問題を提起するメッセージ性の強い作品なのである。たぶん。
●関連作品・記事
『吸血少女対少女フランケン』
『エロ怖い怪談 第壱之怪 イグアナ女』
『エロ怖い怪談 第弐之怪 ポルターガイスト』
【MARKING】
オススメ度:★★★★4
えげつない度:★★★3
個人的には『恋死体』の方が…度:★★★★★★★★8
禍々しい度:★★★★★★★7
【INFORMATION】
・製作年:2011年
・製作国:日本
・監督:友松直之
・脚本:貝原クリス亮、石川二郎、友松直之
・出演:羽田あい、小林優斗、野ノ宮なな、福天、篠崎信吾、柴多龍馬、友松正義、一三、アリスセイラー、廣田トモユキ、若林美保、山科薫、東正彦、宮本真友美、藤田浩
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ザ・ウォード/監禁病棟
『ハロウィン』『遊星からの物体X』のジョン・カーペンター監督が10年ぶりにメガホンを取った作品。放火で逮捕され、精神病院の監禁病棟に収容されたヒロインが体験する恐怖を描く。
【STORY】
身に覚えのない放火の罪で逮捕され、精神病院の監禁病棟に収容された20歳のクリステン。そこには、彼女以外に同年代の女性が4人隔離されていた。精神に以上はないと主張するクリステンだったが、自分の名前と放火現場での事以外の記憶を失っていることに気づく。そんななか、彼女は病院スタッフと患者以外の気配に怯え、脱走を試みるが…。
【REVIEW】
奇才ジョン・カーペンターが『ゴースト・オブ・マーズ』以来、実に10年ぶりに映画を監督したということで、いやが上にも期待が高まる作品。
ちなみにジョン・カーペンターは、AKB48のファンである。プロモーションビデオを撮ることに対しても前向きな発言をしたらしい。事実であれば、どのようなPVになるのか非常に興味深い。
さて話は逸れたが、この作品の舞台は1966年のとある精神病院。唐突にタミーという女性が何者かに首を吊られて殺される。
そしてオープニングのクレジット。電気ショックやロボトミーといった当時の非人道的な治療の様子が映し出され、これから始まるホラーな出来事への期待感が高まる。
そしてこれまた唐突に、森の中を下着姿で走る女性クリステン。森を出て行き着いた先の農家に放火。座り込んで呆然と眺めていいるところに、パトカーが来てクリステンは拘束されてしまうのである。
一体なぜクリステンは下着姿なのか?警察はなぜ放火直後に現場に来られたのか?謎の多い導入部分である。
放火しただけのはずだが、なぜかクリステンは精神病院のしかも重篤患者用の監禁病棟に収用される。その言動は、一見まともなようだが。
同じ病棟には、何でもすぐに歌で表現するエミリー、常に人形を抱えているゾーイ、メガネキャラのアイリス、美人だが冷徹な印象のサラの4人が収容されていた。
ちなみに、エミリーを演じるメイミー・ガマーの母親は、2011年の『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で通算3度目のオスカー主演女優賞を獲得を獲得したメリル・ストリープである。
クリステンが入る予定の部屋の名前を「タミー」という文字を消して「クリステンに」書き換える看護師。冒頭で何者かに殺害された「タミー」である。
自分は狂っていないと主張し続けるクリステン。だがしかし、精神病院の、しかも監禁病棟の中で狂っていないといわれても何の説得力もなく、医療スタッフの目は冷ややか。しかもクリステンには特別なまなざしを向けているような気がする。
しぶしぶおとなしく過ごすクリステンだが、夜な夜な廊下を徘徊する存在が気になったり、シャワー中に何者かに首根っこを掴まれたりする。この何者かは、顔はミイラっぽいが着ている服は入院服のようである。過去に収容されていた患者の呪い、とでもいうのだろうか?
ある日、同じ収容患者のアイリスが医師の診察中のふとした隙に例の何者かに連れ去られる。尖った長い医療器具で目を刺されて惨殺される。
アイリスの行方不明をきっかけに、身の危険を感じたクリステンは、アイリスを捜しつつエミリーとともに脱走を試みる。
だがしかし、何者かに襲われ気絶。スタッフに連れ戻されてしまうのである。
そして次はサラ。連れて行かれて電気ショックで惨殺。死ぬ前にサラは、何者かをアリスと呼んで許しを請う。
何者かはアリスなのか?アリスは以前収容されていた患者なのか?過去にアリスの身に何が起こったのか?そしてなぜ収容患者を殺すのか?
ここでゾーイが説明。どうやらアリスは、同じ病棟に少し前に収容されていた患者のようだ。そして同じ収容患者たちに暴力をふるっていたらしい。たまりかねたメンバーは、よってたかってアリスを殺害してしまったようだ。
このことを知ったクリステンは、関係ないことに巻き込まれて殺されるわけにはいかないと、ゾーイとともに再び脱走を試みる。しかし失敗。あと少しのところで何回も失敗。監禁病棟のセキュリティーも甘いようだが。
拘束具で病室に閉じ込められるが、これまたあっさり拘束具を解くクリステン。慣れているのか?
そしてまた脱走。アリス登場。最終バトル。
いつも都合良くそこにある、ガラスケースに入った消防用の斧でアリスを倒すことに成功。
外に出ようとさまよって行き着いた先は主治医の部屋。
さてここから物語の結末に触れるので注意してほしい。
主治医と相対するクリステン。
アリスとは誰なのか?自分は狂っていないのになぜこんなことになったのか?と問い詰めるクリステン。
しかし主治医からは衝撃の言葉が。
クリステンの本名は、アリス・リー・ハドソン。そう、アリスである。
彼女は2ヶ月近くも農家の地下で鎖につながれていた。冒頭で放火したあの農家である。
クリステンはアリスの別人格。そして他の収容患者もすべてアリスの別人格だった。アリスは過去の辛い経験から多重人格障害となり、この病院に収容されたのである。
治療の過程で次々と人格を消していったら、最後にクリステンという人格が現れたようだ。他の人格がアリスを殺したと証言したのは、アリスが他の人格に支配されていたから。そしてそのアリスが次々と人を殺していったのは、自分の本来の人格を取り戻そうとしていった治療の過程だったようだ。
まさかの多重人格オチ。最近こんなパターン多い。
「会いたかったー、会いたかったー」と願っていたジョン・カーペンターの10年ぶりの新作のオチが「ヘビーローテーション」なネタ。もう少し早くこのネタを「フライングゲット」してほしかった。
しかも最後に鏡の奥から、再びクリステン(人格)を登場させる蛇足。微妙。
だがしかし、主要キャストはすべて美人という点においては賞賛に値する。
●関連作品・記事
『ハロウィン』
『遊星からの物体X』
『パラダイム』
『ゼイリブ』
『ザ・フォッグ』<リメイク>
『世界の終り』
『ハロウィン』<ロブ・ゾンビ版>
【MARKING】
オススメ度:★★★★★5
えげつない度:★★★★4
次は脚本と音楽も度:★★★★★★★7
禍々しい度:★★★★★★6
【INFORMATION】
・原題:JOHN CARPENTER'S THE WARD
・製作年:2010年
・製作国:アメリカ
・監督:ジョン・カーペンター
・製作:ダグ・マンコフ、ピーター・ブロック、マイク・マーカス、アンドリュー・スポールディング
・製作総指揮:デヴィッド・ロジャース、アダム・ベタリッジ、リッチ・コーワン
・脚本:マイケル・ラスムッセン、ショーン・ラスムッセン
・出演:アンバー・ハード、メイミー・ガマー、ダニエル・パナベイカー、ローラ=リー、リンジー・フォンセカ、ミカ・ブーレム、ジャレッド・ハリス
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シャーク・アタック!!
海底地震によって目覚めた古代生物・スーパーシャークが大暴れする作品。
【STORY】
アメリカ・カリフォルニア沖で海底地震が発生。地中に眠っていた古代生物・スーパーシャークを目覚めさせてしまう。海底だけでなく、地上に上がって次々と人を襲うスーパーシャーク。海洋生物学者のキャスリーンは、軍隊とともにスーパーシャークを撃退しようとするが…。
【REVIEW】
とてつもなくデカいサメが出現して、人々を恐怖のどん底に突き落とすお話である。
カリフォルニア沖の石油採掘場。ある日、海底地震が発生した模様。そして海底の裂け目から巨大なサメが出現するのである。このサメは地中でどうやって暮らしていたのか?
さらにそのサメは、海上に建てられた石油採掘場の突きだしていたクレーンをくわえ、石油採掘場ごとなぎ倒してしまうのである。恐ろしくスケールのでかい話。
場面は変わって、とある海岸。クルーザーに乗ってバカンス?を楽しむ数名のグループ。
サメ登場。やはりとてつもなくデカい。クルーザーよりデカい。ダイビングを楽しんでいたダイバーが速やかにサメの餌食に。サメといえば噛まれてなんぼだが、サメが大きすぎて丸飲みに近い。さらにサメは、ジャンプしてクルーザーにのしかかり、沈めてしまうのである。
またまた場面は変わって、現れたのが当局海洋生物学者のキャスリーン。港に停まるブルームーン号というクルーザーをチャーター。この船長も質問していたが、なぜ役人が民間の船をチャーターするのか? さらに船に乗るなり、水着になる不思議行動。いや、いいんだけど。
キャスリーンは、石油採掘場が事故を起こしたことで近辺の海が汚されていないか調査を始める。事故に遭った従業員にも話を聞いている。
どうやら、石油採掘中にとてつもなく硬い岩にあたり、その岩を溶かすために特殊な薬品を使ったようだ。しかし岩が溶けたのはいいが、古代生物・スーパーシャークを目覚めさせてしまったのである。
今度は軍の潜水艦を襲うサメ。潜水艦とサメはほぼ同じ大きさ。潜水艦が放った魚雷を素早くかわし、体当たりして沈めてしまうのである。やりたい放題のサメ。
まだサメの存在が明るみに出ていない平和なビーチの夜。とあるバーで始まったビキニ女王コンテスト。司会は、ダイナマイト・スティーブンス。異常にキャラが立っている。
ここではビキニ女王コンテストというサービスシーンと、冒頭からちょくちょく登場しては無意味なやりとりを繰り返す、アルバイトのライフセーバー男女3人が三角関係に陥る。
サメと関係ない。あんまし関係ないシーンが続くと、サメるぞ。サメだけに。ぷぷっ。
順当に殺されていくビーチの人々。ちなみにサメは、地上にも平気で上がってくる。わざわざ地上の人狙いで襲ってくる。海中にもっと美味しそうな生物がいると思うのだが。
ビキニ女王に輝いた女性も、浜辺でカレンダー撮影中に襲われる。特にカメラマンは、海に背を向けていたため、背後にいる巨大なサメに気づかずにやられる。志村ー、志村ーー、後ろーーーっ!
規格外のサメの存在が明るみ出て、とうとう軍隊出動。
兵士を浜辺に配置するが、兵士も順当にやられていく。志村後ろ!の法則が発動しまくる。
そこで軍隊、火炎放射器を持ち出す。ひるむサメ。イケるか? 海へ逃げ帰るサメ。
ここで追い打ちをかけるように戦闘機発進。だがしかし、サメは飛行中の戦闘機を口でキャッチして墜落させる。どえらい展開。
困った軍隊。キャスリーンを交えて作戦会議。非常に小規模。会議室も狭い。
しかしここで、作戦指揮官らしき人物が秘密兵器を投入すると予告。
翌朝、秘密兵器が白日の下にさらされる。
それは、それは、四本足の付いた戦車! 弱そう。バランス悪そう。しかも1台!
この最終兵器は、アフガニスタン用に試作され、どんな砂漠でも歩ける武装したラクダだ!と、作戦指揮官は自慢げに語る。
キャタピラの方が良くないかな。
そして、サメ登場。
戦車の足とサメの尾びれでど突き合い。しかし戦車敗北。爆破。軍隊退却。隊を編成し直すらしい。
ここでキャスリーンがサメを浜辺の洞窟におびき寄せ、軍隊の持っていたダイナマイトで爆破することに成功。
爆破後は、ドリフのコントのようにボロボロの服装とボサボサの頭で洞窟から出てくる。ついでに服には、海藻も絡まっているのであった。おしまい。
サメなのに、予算の都合か海中のシーンはほとんどなく、陸上シーンばかり。無理はあるが、逆に新鮮かもしれない。
海中のプランクトンの如く無数にツッコミどころがある作品だが、海のように広く大きな心で包み込んでほしい。
【MARKING】
オススメ度:★★★3
えげつない度:★★2
大金は渡す必要があったのか?度:★★★★★★★7
禍々しい度:★★★★★5
【INFORMATION】
・原題:SUPER SHARK
・製作年:2011年
・製作国:アメリカ
・監督:フレッド・オーレン・レイ
・製作:キンバリー・A・レイ、フレッド・オーレン・レイ
・脚本:フレッド・オーレン・レイ、クライド・マッコイ、タイガー・トレス
・出演:ジョン・シュナイダー、サラ・リーヴィング、ティム・アベル、ジェリー・レイシー、テッド・モンテ、ジミー・JJ・ウォーカー
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共喰山
山奥にある太古の壁画を求めてキャンプにやってきたグループが災難に見舞われ、サバイバルを強いられる作品。
【STORY】
古代壁画に興味を抱くアーニャは、調査を兼ねたキャンプ旅行で友達5人を誘って山奥の洞窟をめざす。その夜、水浴びを楽しんでいたメルが無数のヒルに襲われ高熱を出し、寝込んでしまう。メルの容態は徐々に悪化していき、やがて凶暴化して鋭くなった牙で仲間を襲いはじめる…。
【REVIEW】
そのセンセーショナルなタイトルで、思わず観ずにはいられなかった作品。
念のためいっておくが、お相撲さんのしこ名ではない。
今から12000年前のオーストラリアのどこか。岩壁に壁画を一生懸命描いている男。その背後から忍び寄る不気味な影。その影は男を襲い、岩肌に鮮血がほとばしるのだった。
そして現代。上記の男が描いた壁画に興味を持ったヒロインのアーニャは、友人5人を誘って山奥にキャンプ・イン。
どうやら計6名は3組のカップルの体裁を取っているようだが、アーニャとウォーレンだけは友人関係にとどまっているようだ。
壁画に向かう途中には、近道として洞窟を通る。そこでアーニャは閉所のためかパニックとなり、岩肌で腕を切る。大地に滴り落ちる血。アーニャ何かに感染したか?
壁画の近くにたどり着く一行。そこでキャンプをはることに。早々にクリス(女)が野ウサギに噛まれるアクシデント。野ウサギの歯は規格外に鋭くなっている。クリス何かに感染したか?
夜になり、たき火を囲んだオーソドックスなキャンプ。酒もまわってハメを外したメル(女)が池で水浴びを始める。だがしかし池から上がってきたメルの全身には無数のヒルが。塩を使ってヒルを払い落とすが、メル発熱。メル何かに感染したか?
こうして、女性3名が別々の理由で負傷。一体何が原因でおかしなことになるのかの布石が散りばめられたわけだが、あっさりと結論が出てしまう。ここちょっと残念。
メルの容態悪化。町まで戻り医者に見せようとするが、乗ってきた車のタイヤがこの地に生息する謎の虫によってパンクする予定調和。テントやカバンも喰われる始末。
そうこうしているうちにメルが凶暴化。野ウサギを食べている。その歯は規格外に鋭くなっている。
仲間を襲うメル。メンバーはたき火の火で追い払う。森の中へ逃げていく。
雄叫びを上げながらカンガルーを襲うメル。森の中にカンガルーっているのだろうか。
手の付けられないメルを、メンバーは罠を仕掛けて捕獲することに。恋人のチャドが囮役。いったん捕獲に成功するも、まんまと抜け出しウォーレンに襲いかかり喉を噛み切る。ひとしきりウォーレンを食べた後、死体を森の中へお持ち帰り。冒頭の洞窟の中へ投げ込むのである。カンガルーのときも同様の行動を取ったが、洞窟の中の誰かへの捧げ物なのだろうか?
その後、デイズ(男)も突然凶暴化。どうやらメルから逃げる際に、ヒルの池へ飛び込んだことが原因らしい。この作品のパッケージの写真、手前の女性だけに目が行きがちだが、実は奥にもう一人男が写っており、凶暴化したのは2人だったのである。
凶暴化した2人から次々と襲われ、カオス状態に。その後、倒し倒されの攻防が続き、生き残ったのはアーニャのみ。2人から逃げ、例の洞窟の中へ。凶暴化した2人は洞窟の中へは入れないらしい。洞窟の中には、いよいよ何があるのか?
洞窟の中を彷徨うアーニャ。しかし洞窟の至る所から無数の触手が。両手両足を掴まれ、身動きが取れなくなるアーニャ。そこへ地中から謎のでっかい生物。何これ唐突に? でっかいヒル?
持っていた山刀で触手を切り、洞窟の外へ比較的あっさり脱出するアーニャ。巨大なヒルはなぜか追ってこない。
するとそこへ、メルが襲ってくるが、そこも比較的あっさり倒してしまう。
なんか最後の方が淡泊。ヒルの化け物が諸悪の根源だと考えたいが、特にそういった説明はなく、ヒルの化け物自体が蛇足のように思われる。
冒頭のスピーディーかつ緊迫感のある時間帯が良かっただけに残念である。
とにもかくにも、壁画に興味があったのだから、その壁画に描かれていることをきちんと見ておけば、その「警告」に気づいたかもしれないのに・・・。と、残念でならない。
【MARKING】
オススメ度:★★★★4
えげつない度:★★★★★5
小さな虫たちが一番怖い度:★★★★★5
禍々しい度:★★★★★★6
【INFORMATION】
・原題:PRIMAL
・製作年:2010年
・製作国:オーストラリア
・監督:ジョシュ・リード
・製作:ロブ・ギブソン、ジョン・コーダクス、ナイジェル・クリステンセン、ジョシュ・リード
・脚本:ジョシュ・リード
・出演:ゾーイ・タックエル=スミス、クリュー・ボイラン、リンジー・ファリス、レベッカ・フォード、ダミアン・フリーリーガス、ウィル・トラヴァル
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悪魔の儀式
仕事で多忙な夫を持ち、退屈な毎日を過ごす妻が、友人の紹介で魔女に出会い、やがて魔術を試すようになる話。
【STORY】
出張続きで多忙な夫を持つ妻のジョーン。友人と話すこと以外は毎日退屈な日々を過ごしている。ある日ジョーンは友人の紹介で本物の魔女と出会う。時間をもてあましているジョーンは、魔女の話を聞いて魔術に興味を持ち、道具をそろえて魔術を試すようになる。そして、娘の恋人を誘惑するなど行動は次第にエスカレートしていくが…。
【REVIEW】
さて、久しぶりにロメロ作品。
デビュー作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年)から4年後に製作された2作品目で、『ザ・クレイジーズ』(1973年)が製作される前年の作品である。『ナイト・~』が自主製作作品のようなものなので、実質的にはプロデビュー作ともいえる。
だがしかし、残念ながら評判は悪く、ロメロファンからもスルーされてしまっている作品。ロメロの経歴を見ても、ほとんどが『ナイト・~』製作後、プロダクションを立ち上げ『マーティン/呪われた吸血少年』が話題となる、といった内容である。残念。
夫が仕事の虫で、一人退屈な日々を過ごす専業主婦の話である。
冒頭のシーン。
林の中を歩く妻ジョーン。前には新聞から片時も目を離さずに歩き続ける夫。それに付いていくジョーン。夫が振り払う枝が顔に当たり、ジョーンの顔は傷付いていく。それでも懸命に夫の後を付いていく妻ジョーン。どこからか聞こえるバカにしたような笑い声。地面に放り出された赤ちゃん。ブランコに乗るもう一人のジョーン。夫はなおも妻の存在を無視するように歩き続ける・・・。
なかなか見応えのあるシーンだが、これは妻ジョーンが見た夢である。あまりにも退屈な日々を過ごすあまり、見てしまった夢である。
さらに二度寝して見た夢。
夫が出張で出かける間、鎖につながれて、でっかい犬の隣の檻に入れられるというもの。
おかしな夢ばかり見るジョーン。現実世界でも、鏡に映った自分の顔が老婆に見えてしまう。これはあかんとカウンセリングを受けるジョーン。
誰が見てもこれらの原因は平凡で退屈な毎日を過ごしていることが原因。
そんななか、友人の友人が魔女であるという唐突な話がジョーンのもとに舞い込んでくる。そして魔女に会いに行くジョーン。
魔女は普通のおばはんだが、ひとしきり講釈をたれる。
子どもの頃に呪文を教わり、秘密にするようにいわれたというエピソードも。
その呪文は「バルス」に違いない。
その後、娘の恋人に出会ったり、その2人の情事を盗み聞きして怒りを買って娘が家出するなど、だらだらとしたエピソードが続く。
そんなエピソードを経て、退屈な日々に対する我慢の限界を超えたジョーンは魔女が使う道具や材料を買い込むのである。奥様は魔女の誕生。
「魔女の手引き」なる本を見ながら、なにやら始めるジョーン。
そして娘の恋人グレックをたぶらかしはじめる。ちなみに娘の恋人といっても、いい大人なので、アレ的な感じではない。
密会を重ねる2人。しかしこのままではいけないとグレッグに別れを告げるジョーン。儀式も終了し、家事に精を出すジョーン。再び専業主婦に戻る。しかし、悪夢は依然として見続けている。
ある日、夫が帰宅した晩。悪夢で家の中に暴漢が押し入ってきた夢と勘違いして、夫を散弾銃で殺してしまう。
この出来事は事故死として扱われ、保険金も手にするジョーン。本当に勘違いで殺してしまったのかどうかは・・・。
場面は変わって、前半に登場した本物の魔女の家(もしくは仕事場)。ジョーンは本物の魔女から何やら儀式を受けている。どうやら本物の魔女になるべく洗礼を受けているようだ。
儀式の最後に首をひもでつながれるジョーン。冒頭の首輪でつながれるシーンが思い出される。夫の呪縛から解けたが、次は魔女の呪縛か?
ラストの友達同士のガールズトークのシーン。「私は魔女よ」と捨て台詞を吐くジョーンであった。おしまい。
主婦の退屈な日常を、本当に退屈なシーンで描いてしまったように思われるこの作品。非現実的な世界の中に、生々しいほどの現実感を表現するロメロらしいといえばらしいのだが。
しかも現在観ることのできるこの作品は短縮バージョン(90分)で、オリジナルは130分もあるという。さすがにロメロ原理主義者といえども、観るのになかなか忍耐力を要する作品である。
ともかく、嫁はんを放っておくと、魔女になってしまうという、現実的に考えたら恐ろしい話である。
●関連作品・記事
『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』
『ゾンビ』
『死霊のえじき』
『ランド・オブ・ザ・デッド』
『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』
『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
『ザ・クレイジーズ』
『ダーク・ハーフ』
『クリープショー』
『クリープショー2/怨霊』
【MARKING】
オススメ度:★★★★4
えげつない度:★★★★★5
突如現れたネコは何だったのか?度:★★★★★5
禍々しい度:★★★★★★6
【INFORMATION】
・原題:JACK'S WIFE/SEASON OF THE WITCH/HUNGRY WIVES
・製作年:1972年
・製作国:アメリカ
・監督:ジョージ・A・ロメロ
・製作:ナンシー・M・ロメロ
・脚本:ジョージ・A・ロメロ
・出演:ジャン・ホワイト、レイ・レイン、ジョエッタ・マクレイン、アン・マフィ
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プロムナイト
【STORY】
とある廃校で、5人の子どもが鬼ごっこの最中。一人の少女が、その他の子どもにいじめを受け、窓際に追い詰められ落下して死亡する。子どもたちはこのことを秘密として誓い合う。それから6年後。高校生となった彼らは高校生活最後のプロムを迎えようとしていた。しかし誰も知らないはずの彼らの秘密を知っているのか、何者かがあのときのメンバー4人に襲いかかるが…。
【REVIEW】
学園ホラーの傑作と謳われた作品。主演は“スクリーミング・クイーン”こと、ジェイミー・リー・カーティス。脇を固めるのは“裸の銃を持つ男”こと、レスリー・ニールセン。
この作品はシリーズ化され、2008年のリメイクを含めて全6作製作されている。
アメリカのとある町のとある廃墟(とある廃墟って)。5人の少年少女が鬼ごっこのような、かくれんぼのような遊びをしている。どういう経緯か、その中の一人の少女ロビンがいじめられ始める。4人の子どもたちはロビンを窓際に追い詰めるが、ここでアクシデント。窓にもたれたロビンは、そのままガラスを破って落下し、死亡してしまうのである。4人の子どもたちは、このことを秘密にすることを誓い合う。
そして6年後。彼らは高校生に。ハミルトン高校の3年生。その同級生で、ロビンの姉がジェイミー・リー・カーティス演じるキム。ちなみに、ロビンとキムの父親はレスリー・ニールセン。ハミルトン高校の校長をしている。
ハミルトン高校では、高校生活最後のイベントであるプロムを迎えようとしていた。プロムといえば、アメリカ映画でちょくちょく取り上げられ、パートナーを男女ともしゃかりきになって探し回る、あのプロムである。
そのプロムを間近に控えたあたりで、ロビンを死に追いやった4人の男女のもとに、それぞれ謎の男から「パーティーで会おう」という謎の電話が入る。プロム前で浮き足立っている彼らはそのことをあまり気にしない。どうやら謎の男は、6年前の事故の真相を知っているようだ。
ときを同じくして、6年前にロビンが死んだ現場をうろついていたとして、不運にも殺人犯として精神病院送りにされた男が病院を脱走したという情報が。うーむ、怪しい。というか逆に怪しくないか。
ちなみに高校内にもいかにも怪しさ満点で、犯人かもと思ってもらいたいような用務員さんもいる。
ジェイミー・リー・カーティス演じるキムと、ロビンを死に追いやった4人のうちの一人ニックは恋人同士で、このプロムのクイーンとキング。ちなみにジェイミー・リー・カーティスは今とあまり顔が変わらないため、高校生役に非常に違和感がある。
プロムが近づくにつれ、4人とキムのまわりには不可解な出来事が。
更衣室の窓ガラスが割られ、それぞれのロッカーにその破片が本人の写真とともに貼られたりする。犯人と思われる謎の男が学園内に侵入しているようだ。
そして始まったプロムパーティー。
パーティー中に4人のメンバーのうち女性3人が犯人の餌食に。内2人は、情事の後に殺されるといういかにも古き良きホラーの展開。もう一人のウェンディは斧を持った犯人に追い回され、ひとしきり学内を逃げ回った後アウト。
ここで、前半に病院を脱走した男が別の場所で身柄を拘束されたとの情報が。まあそうだろうな。
そしてプロムのメインイベントは、プロムのクイーンとキングのダンス。キムとニックの登場。しかしここでキムに想いを寄せる強面の男ルウが現れ、このイベントを邪魔することに。出番待ちのニックを捕まえて拘束し、ニックの身につけていたキングの王冠と服を奪って自ら着用。この流れは…。
予想通り、この場に犯人も現れる。案の定、犯人はルウをニックと間違えて斧を振り上げる。ルウの首は切断され、バックステージからステージ上へ転がり込むという事態に!
パーティー会場は大騒ぎで逃げ惑う。生き延びたニックもキムと一緒に逃げようとする。しかしここで犯人が立ちふさがってニックとラストバトル。ちなみに犯人はショッカーのような覆面をかぶっている。
犯人は意外に弱い。外見も細身。犯人が話した斧をキムが拾い上げ、犯人に一撃。犯人よろけながら逃げる。そして会場の外へ出たところで倒れ込む。
追いついたキムが覆面をはがすと、
その正体は、
キムの弟アレックス!そうそういたいた。キムにはロビンのほかにもアレックスという姉弟がいて、同じ高校に通い、このプロムにも参加していた。かぶっていた覆面は、キムたちの父親が、ルウがふざけて付けていたもの没収したときのやつか。
アレックスは6年前にロビンが死亡した経緯をこっそり目撃していたようだ。6年間恨み続け、なぜかプロムの日に復習を決行したのである。
殺害方法にインパクトがないし、何より暗くてよくわからない。途中までロビンが死亡した理由でもあるガラスの破片が強調されていたのに、それもいつの間にか無くなっている。残念。
何よりプロムで起こる殺人事件だが、プロムの日に犯行が行われる必然性がない。残念。
そして一番残念なのが、“スクリーミング・クイーン”こと、ジェイミー・リー・カーティスが1回も襲われなかったということである。
【MARKING】
おすすめ度:★★★★4
えげつない度:★★2
6年前の犯人が一番かわいそう度:★★★★★★6
禍々しい度:★★★★4
【INFORMATION】
・原題:PROM NIGHT
・製作年:1980年
・製作国:カナダ
・監督:ポール・リンチ
・製作:ピーター・シンプソン
・脚本:ウィリアム・グレイ
・出演:ジェイミー・リー・カーティス、レスリー・ニールセン、ケイシー・スティーヴンス、エディ・ベントン、マイケル・タフ、メリーベス・ルービンズ、ジョイ・トンプソン、ジェフ・ウィンコット
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食人族
アマゾンの食人族とその取材に出かけた撮影班の顛末をセミ・ドキュメンタリー・タッチで描いた問題作。
【STORY】
アマゾンの秘境「緑の地獄」と呼ばれる場所に住むといわれる食人族の取材に出かけた撮影班4人。ところがその4人はしばらくして消息を絶つ。4人の操作に向かったニューヨーク大学のモンロー教授は、現地のヤクモ族と接触。4人の白骨死体を発見し、近くにあったフィルムを持ち帰る。そのフィルムには、恐るべき映像が残されていた。
【REVIEW】
さて、ゴールデンウィークということで、なかなかゴールデンなこの作品を紹介。
この作品はドキュメンタリー映画として宣伝されたため、当時実際に起こった事件だと誤解する人が続出したらしい。さらには、焼却したはずのフィルムが流出したという設定まで付加されていたのである。
自分も幼少の頃この作品の存在を知ったが、これだけはシャレにならんと、観るのをまあまあの年齢までためらっていたほどである。
このドキュメンタリーに見せかけたフィクションという設定は、かの『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の流れに通じ、その原点として改めて注目された作品である。
南米アマゾン地帯に住むといわれる食人族を取材するため、現地へ出かける撮影班4人。ドキュメンタリー作家のアラン、スクリプト・ガールのフェイ、カメラマンのジャックとマークである。
はりきって出かけたが、2カ月間消息不明とニュースで伝えられる。そして、その4人を捜索するために登場したのが、原始文化の権威といわれるモンロー教授と現地ガイドとその手下。
教授らは4人が向かったといわれる「緑の地獄(グリーン・インフェルノ)」へ。そこに住むのはヤクモ族と呼ばれる人たち。木族と沼族で対立しているらしい。
そしてヤクモ族の集落へ到着。彼らは別の白人に仲間を撃たれたとして激怒している。だがしかし、ガイドの手下が幹部らしき男にナイフを渡すと怒りが収まり受け入れられるという展開に。なんだかよくわからないが、よかったよかった。そして白いスライムのような酒を振る舞われる。最高のもてなしらしい。
彼らを刺激しないように、4人の足取りを掴もうとする教授たち。その間、沼族が木族を攻めるシーンが見られる。
木族は文字通り、高い木に住んでいる。そこへ全身に泥を塗った泥族が現れ、木下でたき火。もうもうと上がる煙に木族は苦しみ、女性の一人が木から落下。すかさず泥族が攻撃を加え、運び去る。両族の特徴を表したわかりやすいシーン。ちょっと木族不利だな。
木族の方に受け入れられていた教授らは、持っていた銃で木族をサポート。沼族を追っ払い、感謝の儀式を受け、お礼に腕時計をもらう。この腕時計は・・・。
そして、教授はとうとう4人を見つける。しかし4人とも白骨化していた。とてもきれいな骸骨。そしてよくよく見るとファイルは彼らのアクセサリー的なものになっていた。
教授らは木族をうまいことごまかして、フォルムを持ち帰ることに成功する。
ヤクモ族の争いに巻き込まれたのか、無残な死を迎えた撮影班4人。しかしジャーナリズムの鏡とばかりに、持ち帰ったフィルムはテレビ局の特番で放送されることに。
放送前にテレビ局の幹部や教授らでフィルムをチェックすることに。
そこには驚愕の映像が納められていたのである。
まずは、部族の集落に向かう道中。大きな亀を捕まえ、料理するシーン。これは本物の亀らしい。相当グロい。本国イタリアでは、動物愛護団体が激怒し、上映禁止となったようだ。亀だけに「カメへん、カメへん」とはいかなかったようである。しかし、監督曰く「きちんと食べたからOK!」とのこと。
ほかにも、大きなネズミみたいな生き物を殺したり、豚を銃で撃ったり、猿の脳みそを食べたり、本物の動物を使用したシーンは多数。
そしてヤクモ族の集落に到着する4人。彼は部族の神経を逆なでするように撮影しまくる。無意味に空に発砲し、部族を怖がらせる。そして極めつけは、敵対する部族の攻撃という設定で部族を小屋に集めて火を放つ。逃げ惑う部族を笑いながら撮影するのである。
お戯れが過ぎる4人の暴挙。
ちなみにこのあたりで、大きな木の杭に串刺しにされている女性が登場する。ホラーファンの度肝を抜いたシーン。自分は、どう見ても本物だ!一線超えてる!シャレにならん!と、当時は思ったものだが、もちろんフィクション。自転車のサドルのような仕掛けに座り、発泡スチロールの木をくわえていたらしい。ふーん。
とうとう部族の怒りを買った4人。そりゃそうだ。森の中で囲まれて襲われる。一人ずつ襲われるため、残りのメンバーがそのシーンを撮影している。最後の一人は、カメラの前で倒れる。
ここでフィルム終了。
これを見たテレビ局のお偉いさんは、このフィルムを焼却するように命じるのであった。
テレビ局を去るモンロー教授のひと言。
「真の野蛮人は?」。
おしまい。
作中で、フェイク画像として銃殺シーンが流されるが、実はこれは本物の銃殺シーンらしい。何が本当で、何が本当じゃないか、ボーダレスな雰囲気にさせられる。フィクションを本物と謳い、本物をフィクションとして流す。どえらいセンス。
今では逆に表現できないような生々しすぎる残酷描写。全編に流れる優雅な音楽が、むしろ不快感を煽る。
手法としては斬新で、今観ても遜色はないが、いかんせん、インモラルで、ナンセンスで、アブノーマルで、スキャンダラスすぎる。
【MARKING】
おすすめ度:★★2
えげつない度:★★★★★★★★★9
ジャングル絶対行かない度:★★★★★★★★8
禍々しい度:★★★★★5
【INFORMATION】
・原題:CANNIBAL HOLOCAUST
・製作年:1981年
・製作国:イタリア
・監督:ルッジェロ・デオダート
・製作:ジョヴァンニ・マッシーニ
・脚本:ジャンフランコ・クレリチ
・出演:フランチェスカ・チアルディ、ルカ・バルバレスキー、ロバート・カーマン、ペリー・ピルカネン、サルヴァトーレ・ベイジル、リカルド・フュエンテス、ガブリエル・ヨーク、パオロ・パオローニ、ピオ・ディ・サヴォイア、ルイジアナ・ロッシ
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