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食人族

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アマゾンの食人族とその取材に出かけた撮影班の顛末をセミ・ドキュメンタリー・タッチで描いた問題作。

【STORY】
アマゾンの秘境「緑の地獄」と呼ばれる場所に住むといわれる食人族の取材に出かけた撮影班4人。ところがその4人はしばらくして消息を絶つ。4人の操作に向かったニューヨーク大学のモンロー教授は、現地のヤクモ族と接触。4人の白骨死体を発見し、近くにあったフィルムを持ち帰る。そのフィルムには、恐るべき映像が残されていた。

【REVIEW】
さて、ゴールデンウィークということで、なかなかゴールデンなこの作品を紹介。
この作品はドキュメンタリー映画として宣伝されたため、当時実際に起こった事件だと誤解する人が続出したらしい。さらには、焼却したはずのフィルムが流出したという設定まで付加されていたのである。
自分も幼少の頃この作品の存在を知ったが、これだけはシャレにならんと、観るのをまあまあの年齢までためらっていたほどである。
このドキュメンタリーに見せかけたフィクションという設定は、かの『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の流れに通じ、その原点として改めて注目された作品である。

南米アマゾン地帯に住むといわれる食人族を取材するため、現地へ出かける撮影班4人。ドキュメンタリー作家のアラン、スクリプト・ガールのフェイ、カメラマンのジャックとマークである。
はりきって出かけたが、2カ月間消息不明とニュースで伝えられる。そして、その4人を捜索するために登場したのが、原始文化の権威といわれるモンロー教授と現地ガイドとその手下。
教授らは4人が向かったといわれる「緑の地獄(グリーン・インフェルノ)」へ。そこに住むのはヤクモ族と呼ばれる人たち。木族と沼族で対立しているらしい。

そしてヤクモ族の集落へ到着。彼らは別の白人に仲間を撃たれたとして激怒している。だがしかし、ガイドの手下が幹部らしき男にナイフを渡すと怒りが収まり受け入れられるという展開に。なんだかよくわからないが、よかったよかった。そして白いスライムのような酒を振る舞われる。最高のもてなしらしい。

彼らを刺激しないように、4人の足取りを掴もうとする教授たち。その間、沼族が木族を攻めるシーンが見られる。
木族は文字通り、高い木に住んでいる。そこへ全身に泥を塗った泥族が現れ、木下でたき火。もうもうと上がる煙に木族は苦しみ、女性の一人が木から落下。すかさず泥族が攻撃を加え、運び去る。両族の特徴を表したわかりやすいシーン。ちょっと木族不利だな。
木族の方に受け入れられていた教授らは、持っていた銃で木族をサポート。沼族を追っ払い、感謝の儀式を受け、お礼に腕時計をもらう。この腕時計は・・・。

そして、教授はとうとう4人を見つける。しかし4人とも白骨化していた。とてもきれいな骸骨。そしてよくよく見るとファイルは彼らのアクセサリー的なものになっていた。
教授らは木族をうまいことごまかして、フォルムを持ち帰ることに成功する。

ヤクモ族の争いに巻き込まれたのか、無残な死を迎えた撮影班4人。しかしジャーナリズムの鏡とばかりに、持ち帰ったフィルムはテレビ局の特番で放送されることに。
放送前にテレビ局の幹部や教授らでフィルムをチェックすることに。
そこには驚愕の映像が納められていたのである。

まずは、部族の集落に向かう道中。大きな亀を捕まえ、料理するシーン。これは本物の亀らしい。相当グロい。本国イタリアでは、動物愛護団体が激怒し、上映禁止となったようだ。亀だけに「カメへん、カメへん」とはいかなかったようである。しかし、監督曰く「きちんと食べたからOK!」とのこと。
ほかにも、大きなネズミみたいな生き物を殺したり、豚を銃で撃ったり、猿の脳みそを食べたり、本物の動物を使用したシーンは多数。

そしてヤクモ族の集落に到着する4人。彼は部族の神経を逆なでするように撮影しまくる。無意味に空に発砲し、部族を怖がらせる。そして極めつけは、敵対する部族の攻撃という設定で部族を小屋に集めて火を放つ。逃げ惑う部族を笑いながら撮影するのである。
お戯れが過ぎる4人の暴挙。
ちなみにこのあたりで、大きな木の杭に串刺しにされている女性が登場する。ホラーファンの度肝を抜いたシーン。自分は、どう見ても本物だ!一線超えてる!シャレにならん!と、当時は思ったものだが、もちろんフィクション。自転車のサドルのような仕掛けに座り、発泡スチロールの木をくわえていたらしい。ふーん。

とうとう部族の怒りを買った4人。そりゃそうだ。森の中で囲まれて襲われる。一人ずつ襲われるため、残りのメンバーがそのシーンを撮影している。最後の一人は、カメラの前で倒れる。
ここでフィルム終了。
これを見たテレビ局のお偉いさんは、このフィルムを焼却するように命じるのであった。

テレビ局を去るモンロー教授のひと言。
「真の野蛮人は?」。
おしまい。

作中で、フェイク画像として銃殺シーンが流されるが、実はこれは本物の銃殺シーンらしい。何が本当で、何が本当じゃないか、ボーダレスな雰囲気にさせられる。フィクションを本物と謳い、本物をフィクションとして流す。どえらいセンス。

今では逆に表現できないような生々しすぎる残酷描写。全編に流れる優雅な音楽が、むしろ不快感を煽る。
手法としては斬新で、今観ても遜色はないが、いかんせん、インモラルで、ナンセンスで、アブノーマルで、スキャンダラスすぎる。


【MARKING】
おすすめ度:★★2
えげつない度:★★★★★★★★★9
ジャングル絶対行かない度:★★★★★★★★8
禍々しい度:★★★★★5

【INFORMATION】
・原題:CANNIBAL HOLOCAUST
・製作年:1981年
・製作国:イタリア
・監督:ルッジェロ・デオダート
・製作:ジョヴァンニ・マッシーニ
・脚本:ジャンフランコ・クレリチ
・出演:フランチェスカ・チアルディ、ルカ・バルバレスキー、ロバート・カーマン、ペリー・ピルカネン、サルヴァトーレ・ベイジル、リカルド・フュエンテス、ガブリエル・ヨーク、パオロ・パオローニ、ピオ・ディ・サヴォイア、ルイジアナ・ロッシ

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