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ザ・ウォード/監禁病棟

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ハロウィン』『遊星からの物体X』のジョン・カーペンター監督が10年ぶりにメガホンを取った作品。放火で逮捕され、精神病院の監禁病棟に収容されたヒロインが体験する恐怖を描く。

【STORY】
身に覚えのない放火の罪で逮捕され、精神病院の監禁病棟に収容された20歳のクリステン。そこには、彼女以外に同年代の女性が4人隔離されていた。精神に以上はないと主張するクリステンだったが、自分の名前と放火現場での事以外の記憶を失っていることに気づく。そんななか、彼女は病院スタッフと患者以外の気配に怯え、脱走を試みるが…。

【REVIEW】
奇才ジョン・カーペンターが『ゴースト・オブ・マーズ』以来、実に10年ぶりに映画を監督したということで、いやが上にも期待が高まる作品。
ちなみにジョン・カーペンターは、AKB48のファンである。プロモーションビデオを撮ることに対しても前向きな発言をしたらしい。事実であれば、どのようなPVになるのか非常に興味深い。

さて話は逸れたが、この作品の舞台は1966年のとある精神病院。唐突にタミーという女性が何者かに首を吊られて殺される。
そしてオープニングのクレジット。電気ショックやロボトミーといった当時の非人道的な治療の様子が映し出され、これから始まるホラーな出来事への期待感が高まる。

そしてこれまた唐突に、森の中を下着姿で走る女性クリステン。森を出て行き着いた先の農家に放火。座り込んで呆然と眺めていいるところに、パトカーが来てクリステンは拘束されてしまうのである。
一体なぜクリステンは下着姿なのか?警察はなぜ放火直後に現場に来られたのか?謎の多い導入部分である。

放火しただけのはずだが、なぜかクリステンは精神病院のしかも重篤患者用の監禁病棟に収用される。その言動は、一見まともなようだが。
同じ病棟には、何でもすぐに歌で表現するエミリー、常に人形を抱えているゾーイ、メガネキャラのアイリス、美人だが冷徹な印象のサラの4人が収容されていた。
ちなみに、エミリーを演じるメイミー・ガマーの母親は、2011年の『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で通算3度目のオスカー主演女優賞を獲得を獲得したメリル・ストリープである。
クリステンが入る予定の部屋の名前を「タミー」という文字を消して「クリステンに」書き換える看護師。冒頭で何者かに殺害された「タミー」である。

自分は狂っていないと主張し続けるクリステン。だがしかし、精神病院の、しかも監禁病棟の中で狂っていないといわれても何の説得力もなく、医療スタッフの目は冷ややか。しかもクリステンには特別なまなざしを向けているような気がする。

しぶしぶおとなしく過ごすクリステンだが、夜な夜な廊下を徘徊する存在が気になったり、シャワー中に何者かに首根っこを掴まれたりする。この何者かは、顔はミイラっぽいが着ている服は入院服のようである。過去に収容されていた患者の呪い、とでもいうのだろうか?

ある日、同じ収容患者のアイリスが医師の診察中のふとした隙に例の何者かに連れ去られる。尖った長い医療器具で目を刺されて惨殺される。
アイリスの行方不明をきっかけに、身の危険を感じたクリステンは、アイリスを捜しつつエミリーとともに脱走を試みる。
だがしかし、何者かに襲われ気絶。スタッフに連れ戻されてしまうのである。

そして次はサラ。連れて行かれて電気ショックで惨殺。死ぬ前にサラは、何者かをアリスと呼んで許しを請う。
何者かはアリスなのか?アリスは以前収容されていた患者なのか?過去にアリスの身に何が起こったのか?そしてなぜ収容患者を殺すのか?

ここでゾーイが説明。どうやらアリスは、同じ病棟に少し前に収容されていた患者のようだ。そして同じ収容患者たちに暴力をふるっていたらしい。たまりかねたメンバーは、よってたかってアリスを殺害してしまったようだ。

このことを知ったクリステンは、関係ないことに巻き込まれて殺されるわけにはいかないと、ゾーイとともに再び脱走を試みる。しかし失敗。あと少しのところで何回も失敗。監禁病棟のセキュリティーも甘いようだが。
拘束具で病室に閉じ込められるが、これまたあっさり拘束具を解くクリステン。慣れているのか?

そしてまた脱走。アリス登場。最終バトル。
いつも都合良くそこにある、ガラスケースに入った消防用の斧でアリスを倒すことに成功。
外に出ようとさまよって行き着いた先は主治医の部屋。

さてここから物語の結末に触れるので注意してほしい。

主治医と相対するクリステン。
アリスとは誰なのか?自分は狂っていないのになぜこんなことになったのか?と問い詰めるクリステン。
しかし主治医からは衝撃の言葉が。

クリステンの本名は、アリス・リー・ハドソン。そう、アリスである。
彼女は2ヶ月近くも農家の地下で鎖につながれていた。冒頭で放火したあの農家である。
クリステンはアリスの別人格。そして他の収容患者もすべてアリスの別人格だった。アリスは過去の辛い経験から多重人格障害となり、この病院に収容されたのである。

治療の過程で次々と人格を消していったら、最後にクリステンという人格が現れたようだ。他の人格がアリスを殺したと証言したのは、アリスが他の人格に支配されていたから。そしてそのアリスが次々と人を殺していったのは、自分の本来の人格を取り戻そうとしていった治療の過程だったようだ。

まさかの多重人格オチ。最近こんなパターン多い。
「会いたかったー、会いたかったー」と願っていたジョン・カーペンターの10年ぶりの新作のオチが「ヘビーローテーション」なネタ。もう少し早くこのネタを「フライングゲット」してほしかった。

しかも最後に鏡の奥から、再びクリステン(人格)を登場させる蛇足。微妙。

だがしかし、主要キャストはすべて美人という点においては賞賛に値する。


●関連作品・記事
ハロウィン
遊星からの物体X
パラダイム
ゼイリブ
ザ・フォッグ』<リメイク>
世界の終り
ハロウィン』<ロブ・ゾンビ版>

【MARKING】
オススメ度:★★★★★5
えげつない度:★★★★4
次は脚本と音楽も度:★★★★★★★7
禍々しい度:★★★★★★6

【INFORMATION】
・原題:JOHN CARPENTER'S THE WARD
・製作年:2010年
・製作国:アメリカ
・監督:ジョン・カーペンター
・製作:ダグ・マンコフ、ピーター・ブロック、マイク・マーカス、アンドリュー・スポールディング
・製作総指揮:デヴィッド・ロジャース、アダム・ベタリッジ、リッチ・コーワン
・脚本:マイケル・ラスムッセン、ショーン・ラスムッセン
・出演:アンバー・ハード、メイミー・ガマー、ダニエル・パナベイカー、ローラ=リー、リンジー・フォンセカ、ミカ・ブーレム、ジャレッド・ハリス

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