叔母の死後、住んでいた館に移り住んだ作家が遭遇する奇怪な現象を描いた作品。製作は『13日の金曜日』(監督/製作)『鮮血の美学』(製作)のショーン・S・カニンガム。監督は『13日の金曜日 パート2』『13日の金曜日 パート3』スティーヴ・マイナー。
【STORY】
ホラー作家として名を馳せたロジャーだが、叔母の家を家族で訪れた際に息子ジミーが突然失踪してしまう。その後、妻とは疎遠になり、執筆業もうまくいかない日々が続く。ある日、叔母の死をきっかけに叔母が住んでいた屋敷に移り住み、ベトナム戦争に行った自身の体験をベースにした作品を書き始める。しかしその屋敷では、夜の12時なると奇怪な現象が起こる…。
【REVIEW】
まず特筆すべきは、かの『13日の金曜日』の生みの親ショーン・S・カニンガムと『パート2』『パート3』監督のスティーヴ・マイナーの2人による「13金」コンビが手がけた作品ということである。ちなみに音楽も「13金」のハリー・マンフレディーニ。
原題が「HOUSE」ということで、いわゆるお化け屋敷ものである。
主人公はホラー作家のロジャー・コッブ。ベトナム戦争に参加した退役軍人である。ロジャーは家族を連れて叔母の屋敷を訪れるが、ふとした間に息子のジミーが姿を消してしまう。プールに飛び込んだり、叫び倒したりして探すが見つからない。
この頃から何やら様子がおかしかった叔母は、「この家の仕業」と自分の家にも関わらず不吉な言葉を発して母親の神経を逆なでしている。
それからというもの、妻とは不仲になり、仕事は思うようにいかず、公私ともに不遇の時代を迎えるロジャー。
だがしかし、ある日、叔母が屋敷で首を吊って死亡するという出来事が勃発。
息子の失踪が受け入れられないロジャーは、叔母の家に移り住み、前から書きたかったらしいベトナム戦争の自身の体験を基にした作品を書き始めるのである。
作品を書いている場面では、ベトナム戦地での回想シーンが挟まれる。ベトナムのジャングルのはずだが、いかにもスタジオ感丸出しのシーンである。
順調かどうかは定かでないが、作品を書き続けるロジャー。だがこの屋敷では次々とおかしな事が起こり始める。
壁に飾ってある巨大なカジキが動き出したり、樹木伐採用の巨大なハサミや鉈が飛んできたり・・・。しまいにはある部屋の押入の中から得体の知れない怪物が出現するのである。
という具合に、しばらく隣人のおとぼけキャラのハロルドも巻き込んで屋敷の怪奇現象によるドタバタ劇が繰り広げられる。
さらにはベトナム戦争時や息子の失踪などの辛い経験が主人公の悪夢の中で混ざり合って収拾のつかない状況となって、非常にわかりにくい展開となるのである。
結局はベトナム戦争時に敵に撃たれ負傷した同僚が「殺してくれ」と哀願したにも関わらず、見方を呼びに行ってしまったロジャーへの恨みが諸悪の根源だったようである。この同僚はロジャーが自分にとどめを刺さなかったばっかりに、その後連れて行かれて地獄の拷問を味わったそうで、その怒りたるやハンパではない様子。
その同僚ベンが怪物となってこの家に棲みつき、息子ジミーを奪い、叔母を自殺へと導き、ロジャーを攻撃していたようである。
死んだ叔母は亡霊となって現れ「この家は呪われている」といっていたが、家が呪われているというよりは、ロジャーが恨まれているといった方が正解ではないか。
ということで、叔母が生前に描いた絵をヒントに息子ジミーがいる鏡の中の世界へ行って無事ジムを救い出し、怪物ベンを手榴弾で首尾よくやっつけ、最後に絶妙のタイミングで妻が現れ抱き合っておしまい。
いろんな要素が詰め込まれており、観ていて飽きは来ないのだが、なんとなくすっきりしない展開。
単純に怪物とのドタバタ劇を楽しみたいところだが、やはり時代の流れか、怪物たちの造型にも物足りなさを感じる。
昔観たときはもっとおもしろかった気がするんだが・・・。
ちなみにDVDは絶版になっているようで、かなり高額で取引されているようである。Amazonでは1万円を超えている。
まあしかし、一番気になるのは「ガバリン」とは何のことなのか、であるが。
●関連作品・記事
『13日の金曜日』
『13日の金曜日 パート2』
『13日の金曜日 パート3』
『鮮血の美学』
【MARKING】
オススメ度:★★★★4
えげつない度:★★★3
なのに続編3作もあるよ度:★★★★★★★7
禍々しい度:★★★★★5
【INFORMATION】
・原題:HOUSE
・製作年:1986年
・製作国:アメリカ
・監督:スティーヴ・マイナー
・製作:ショーン・S・カニンガム
・原案:フレッド・デッカー
・脚本:イーサン・ワイリー
・出演:ウィリアム・カット、ジョージ・ウェント、リチャード・モール、ケイ・レンツ、マイケル・エンサイン、スーザン・フレンチ、メアリー・スタヴィン、エリック・シルヴァー、マーク・シルヴァー、アラン・オートリー
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